猫の『夏バテ』と『熱中症』の違いとは…異なる3つの特徴と対処法とは

猫の『夏バテ』と『熱中症』の違いとは…異なる3つの特徴と対処法とは

猫も暑さで体調を崩してしまうことがあるので、夏場は注意が必要です。ところで、夏バテと熱中症にはどのような違いがあるのでしょうか?夏バテと熱中症の違いと、猫が暑さで体調を崩してしまった時に飼い主さんがどう対処すべきかを解説します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の夏バテと熱中症の違い

元気がない猫

1.体調の変化が現れるスピードが違う

夏バテは暑い日が続くことで起こる体調不良の総称のことで、熱中症は暑さで体温が上がって急激に体調を崩すことを指します。

数日から数週間かけて徐々に体調の変化が現れるのが夏バテ、短時間で急激に体調が悪化してしまうが熱中症というように、夏バテと熱中症では症状が現れるスピードが異なります。

2.症状に違いがある

猫の夏バテと熱中症の症状には、元気がなくなり下痢や嘔吐をするという共通したものもありますが、それぞれでいくつかの異なる症状も現れます。

夏バテの場合は食欲不振や、飲水量が減ったことにより尿の量や回数が減るという症状が現れやすいです。一方、熱中症の場合は呼吸が荒くなる、ふらつく、体が熱くなるといった症状が現れるのが特徴です。重度の熱中症になると、けいれんしたり意識をなくしたりすることも…。

3.重篤化するリスクや緊急性が違う

急激に体調が悪くなる熱中症は、夏バテよりも重篤化するリスクと緊急性が高いです。最悪の場合は命を落としてしまうこともあるので、猫に熱中症が疑われる症状が見られた時は、すぐに動物病院に連れて行きましょう。

夏バテは熱中症と違ってすぐに命に関わるものではありませんが、食欲不振の状態が続き、絶食状態が3日以上続くと肝リピドーシスという病気になってしまいます。食欲廃絶・元気消失、黄疸、嘔吐が続くなどの症状が起こります。早急に治療が必要な状態になってしまうこともあります。

ただの夏バテだと甘く見て放置せずに、脱水症状を引き起こしたりさらに元気がなくなったりする前に、早めに病院で診察を受けてくださいね。

愛猫が夏バテや熱中症になった時の対処法

水を飲む猫

愛猫が夏バテをしている時や熱中症になった時には、早めに動物病院で治療を受けることが大切です。

すぐに病院に行くほどではないけれど軽度の夏バテをしている猫には、こまめな水分補給と栄養補給をすることで症状の悪化を防ぎましょう。普段よりも猫の水飲み場を増やして、新鮮な水をいつでも飲める環境を整えてあげてください。

食事は嗜好性の高いウエットフードを与えると、食欲が低下していても食べやすいうえに水分を一緒に摂取できるのでおすすめですよ。いつものフードにトッピングをしたり、おやつで栄養を補ったりして、栄養不足にならないように気をつけましょう。

愛猫が熱中症になってしまった場合は、応急処置としてすぐに体を冷やしましょう。できるだけ涼しいところに愛猫を移動させたうえで、タオルで包んだ保冷剤を首と脇に当てます。

応急処置を施しながら動物病院に連絡をとり指示を仰いだうえで、すぐに病院に向かってください。

まとめ

麦わら帽子をかぶった猫

猫の夏バテと熱中症の違いについて解説しました。暑い時期には夏バテと熱中症の両方から愛猫を守るために、予防対策をしっかりすることが大切です。

まずは猫が快適に過ごせるように、エアコンを使用して室温は27~28℃に保ちましょう。猫は湿度の高さに弱いので、湿度も50~60%を維持したいところです。冷却マットなどのひんやりグッズを活用するのもおすすめですよ。

暑さに負けないように水分と栄養の補給も心がけて、愛猫に元気に夏を乗り切ってもらいましょう!

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