猫にハチミツはOK!!気になるメリットは?
1歳を過ぎて体ができあがっている成猫には、極小量(指先につけたものをひと舐めふた舐めする程度)であれば、ハチミツを食べさせても大丈夫です。
「積極的に与えましょう」とは言えないものの、猫がハチミツを食べることにはいくつかのメリットがあるかもしれません。
ビタミンを補給できる
ハチミツには、少量ですがいくつかのビタミンが含まれています。ハチミツに含まれるビタミンはそのほとんどが利用されやすい状態で含まれていると言われていますので、ハチミツを食べることでビタミンを補給できるかもしれません。
薬を飲みやすくする
猫に薬を飲ませる際に、とても苦労することもあるでしょう。
そこで役立つのがハチミツです。ハチミツ特有のとろみが薬を包み込み、味を隠したり飲み込みやすくしてくれたり、吐き出しにくくしてくれるのです。
ちなみに、猫の舌は甘味を感じないという特徴があります。ですから、ハチミツの甘味で猫が喜んで薬を飲んでくれることはないでしょうが、ハチミツのとろみが薬を飲みやすくしてくれることがあるのです。
口内炎に効く可能性も
ハチミツには抗炎症作用・抗菌作用などがあると言われています。ビタミンも含まれていますし、人では口内炎による炎症を鎮めてくれると言われています。
しかし、猫の口内炎に対してハチミツを使うことが適しているかどうかは、猫によって異なるでしょう。
人では咳を抑える効果もあると言われています。しかし猫でもそのような効果があるかどうかは分かっていません。
猫がハチミツを食べるデメリット
メリットの裏には、デメリットも存在します。猫がハチミツを食べる場合のデメリットは以下の通りです。
糖分過多になりやすい
ハチミツの主成分は糖です。すなわち炭水化物です。猫は本来肉食動物であることから、人間のように多くの炭水化物を必要としていません。
つまり、ハチミツの食感を気に入り、頻繁に舐める習慣が身についてしまったり投薬の度にハチミツを舐めさせたりしていると、猫の身体は糖分過多になってしまう可能性があります。糖分過多は、猫が肥満や糖尿病などになるリスクを上げてしまうので気をつけましょう。
ボツリヌス菌感染のリスク
ハチミツにはボツリヌス菌が含まれていることがあります。日本では、昭和61年厚生科学研究事業による調査で、国産品や輸入品など様々な種類のハチミツを調べた結果、5.3%のハチミツからボツリヌス菌が検出されたことがあるそうです。
ボツリヌス菌は熱や乾燥に強い「芽胞」の状態で体内に侵入し、体内で発芽して毒素を産生します。その毒素によって様々な症状が起きるのが、人の赤ちゃんにおけるボツリヌス症です。
1歳未満の乳児にとってハチミツが禁忌なのは腸内の環境がまだ整っていないからであり、猫の場合にも、腸内細菌のバランスが未発達な子猫がハチミツを食べてしまうとボツリヌス菌による危険が及ぶ可能性があります。
猫にハチミツを与える際の注意点とは
では、猫にハチミツを与える際に注意すべきポイントにはどのようなことがあるのでしょうか。上記の「デメリット」から見えてくる注意点をまとめてみます。
- 子猫には絶対に与えない
- 肥満の猫には与えない
- 糖尿病のリスクが高い猫、糖尿病の猫には与えない
- ごく少量にとどめる
- 手の届かない場所で保管する
- 「純粋はちみつ」と書かれたものにする
ハチミツの種類に関しては、はちみつが本来持つ栄養を摂取するには「純粋はちみつ」が最も適しているでしょう。また「加糖はちみつ」は猫には不必要な糖分がさらに多く含まれる可能性があるため、気をつけましょう。
まとめ
ハチミツは指先につけた少量を舐めさせる、もしくは薬を飲ませる際に使うなど、極小量であれば猫が摂取しても大丈夫です。
ハチミツには、ビタミンの他に抗炎症作用や抗菌作用のある物質が含まれ、猫での効能ははっきりとは分かっていませんが、猫の健康にも役立つかもしれません。
その一方で、糖分過多やボツリヌス菌感染のリスクがあるなどのデメリットも。肥満気味の猫や、既に肥満である場合には適しません。腸内環境が整っていない子猫にも禁忌です。
もしハチミツを猫の食事に取り入れるのであれば、無調整の「純粋はちみつ」を選ぶと良いかもしれません。そして念の為、獣医さんに確認してから舐めさせるようにしてください。