夏バテとは異なる猫の「梅雨バテ」とは
梅雨のシーズンに入ると気温や湿度が高くなります。しかし、肌寒い日もあり寒暖差や気圧の変化も大きく、天候が不安定です。
天気の変化に猫の体がついていけなくなると「梅雨バテ」となってしまい、活発に動くことが少なくなります。
夏バテは高温によって急に体調を崩すことが多いですが、梅雨バテはいつもより少し体調が悪いと感じる状態が続きます。
そこで今回は、夏バテとは違う猫の「梅雨バテ」の症状と原因について解説したいと思います。これからの季節に備えて、ぜひ確認しておきましょう。
1.元気がない
梅雨の時期は、猫の元気がいつもよりないと感じるでしょう。
猫は暑くなっても肉球しか汗をかきません。肉球の汗や口や鼻の呼吸、体をなめて毛づくろいをすることなどで、水分を蒸発させて体温調節を行います。
しかし梅雨の多湿な環境では、水分を蒸発させて体温調節をすることが難しくなり、体調を崩してしまうことがあるのです。
また、『猫の祖先は砂漠で暮らしていたため、梅雨のジメジメした環境が苦手』と言われています。梅雨のシーズンの湿度は70~80%になることがありますが、猫が快適に過ごせる湿度は40~60%です。エアコンを利用して湿度の調整をしてあげましょう。
2.食欲の低下、嘔吐、下痢
寒暖差や多湿によるストレスによって胃腸の機能が低下するため、猫の食欲が落ちることがあります。
胃腸の機能が低下したことで、猫が嘔吐や下痢をしてしまう場合もあります。
3.病気にかかりやすい
梅雨バテになると、猫は以下のような病気にかかりやすくなってしまいます。
胃腸炎
梅雨に入ると気温や湿度が高くなるので、キャットフードや水に雑菌が繁殖しやすくなります。雑菌が繁殖したフードや水を猫が口にして胃腸炎を起こすおそれがあるのです。
特にウェットフードは傷みやすいので、食べ残しはすぐに片付けましょう。ドライフードは高温多湿を避けて保管することが大切です。
水は1日2回以上交換し、食器はこまめに洗いましょう。
外耳炎
梅雨の時期は、猫が外耳炎にかかりやすいです。湿度が高くなることで常在菌のマラセチアが繁殖しやすくなり、外耳炎を引き起こします。
猫が耳をかゆがる、耳垢が多くなる、耳がにおうなどの症状が出ます。
皮膚炎
気温や湿度が高くなると、皮膚糸状菌やノミ・ダニが増えたり活発になり、皮膚炎にかかりやすくなります。湿疹、フケ、脱毛など猫の皮膚に異常が見られたら動物病院を受診しましょう。
猫の皮膚炎は、人に感染する場合もあります。室内を清潔に保つことや、猫にノミ・ダニの予防薬の投与などをして防ぎましょう。
まとめ
猫の「梅雨バテ」は、ジメジメした環境や寒暖差などでなんとなく調子が悪い状態が続きます。また、湿度が高くなることで、食中毒や皮膚病などにもかかりやすくなります。
梅雨の季節は猫が快適に過ごせるように、より一層配慮しながら環境を整えてあげましょう。