1.硬水
猫に避けた方がいい水として、まず挙げられるのが硬水です。硬水とは、カルシウムやマグネシウムを多く含む水のこと。猫が長期的に硬水を摂取すると、ミネラル過多により尿路結石などのリスクが高まります。特に外国産のミネラルウォーターは硬水であるケースが多いので注意しましょう。
ただし、硬水を絶対に飲ませてはいけないかというと、そこまで極端ではありませんが、メリットがある訳ではないので、特別な理由がない限りはわざわざ懸念が残る硬水を選ぶ必要はありません。猫の飲み水は軟水・水道水で十分です。
2.冷たすぎる水
猫の飲み水を用意するとき、できるかぎり常温が好ましいです。キンキンに冷えた水の場合、摂取することで場合によっては消化不良や下痢などを引き起こす可能性があります。特に寒い日には猫も体温が低下することを嫌がって水を飲まなくなります。そのため、猫に用意する水はできるだけ人肌に近い常温の物を用意してあげましょう。
注意点として冷たい水が好ましくないからといってお湯を用意するのは当然NG。猫が火傷してしまいます。寒い日でも、ぬるま湯程度に冷ましてから与えてあげましょう。
ただし猫にも好みや個体差があるので、その子にあったお水を準備してあげましょう。
3.花瓶の水
意外かもしれませんが、花瓶の水は猫に対して非常に危険な毒性を示すことがあります。完全肉食動物である猫には、植物成分を適切に解毒する体内作用が十分備わっていません。そのため、人間よりも植物成分に対してシビアなケースが多いです。花瓶の水には、植物の成分が水分中に流出しています。
猫が興味本位で口にすると、水に溶けている植物成分を摂取してしまい重篤な症状を引き起こす恐れがあります。特に危険性が高いのはユリ科の植物。ユリは猫にとって非常に危険です。ユリが入っていた花瓶の水を舐めるだけでも、中毒症状を起こし非常に危険な状態に陥ります。
ユリ科の植物にはチューリップなど意外な物も含まれます。万が一が起こらないよう、飼い主さんは猫が花瓶の水を舐めないように注意しましょう。
摂取してしまったときの対応
硬水や冷たい水を猫が飲んでしまった場合は、そこまで慌てる必要はありません。必要に応じて軟水や常温の水に切り替えてあげればOKです。
注意したいのが、花瓶の水を舐めてしまった場合。この場合は非常に危険な状態になる恐れがあります。速やかに動物病院に連絡し指示を仰いだうえ必要に応じて受診しましょう。
応急処置として無理に吐かせるなどの行為もNGです。獣医療の専門家ではない人間が応急処置を施すと、事態を余計に悪化させるリスクが高いです。飼い主さんは動物病院に連れていくことに専念しましょう。
まとめ
猫にとっても水は大事なものですが、与える水の種類には気を配ってあげましょう。猫は人間とはまた違った体の構造をしています。人間に好ましいからといった理由だけで選ぶのは得策ではありません。
また、好奇心旺盛な猫を飼っている方は猫が用意した飲み水以外の液体を舐めようとしないか、注意する必要もあります。
今回の記事を参考に猫に与える飲み水を見直してみてはいかがでしょうか。