猫のわかりやすい・わかりにくい『体調不良サイン』4つ

猫のわかりやすい・わかりにくい『体調不良サイン』4つ

猫は体調が悪くても言葉でSOSを出すことはできないので、飼い主さんが異常に気づいてあげる必要があります。猫が体調不良の時に見せるサインを、わかりやすいものとわかりにくいものに分けてそれぞれ4つずつご紹介します。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

猫のわかりやすい体調不良サイン

狭いところに隠れる猫

1.食欲不振

ごはんやおやつを与えると、喜んでペロリと完食する食いしん坊の猫は多いですよね。食事の用意ができても食べにこなかったり、いつも完食する量を食べ切れずに残していたりする時には、飼い主さんもすぐに「体調が悪いのかも」と気づけるのではないでしょうか。

ただし多頭飼育をしていて、1匹1匹の食事の量がしっかり把握できていない場合には、猫の食欲不振に気づきにくいので注意してください。

2.下痢や嘔吐

下痢や嘔吐も、わかりやすい体調不良のサインです。少し便が緩い程度だったり、吐いた後も食欲があったりする場合はそれほど心配はいりません。しかし下痢や嘔吐を繰り返している場合には、すぐに動物病院に連れていきましょう。また便や吐瀉物に血が混じっている場合も、早急な対応が必要です。

3.明らかに元気がない

猫も体調が悪いと、いつものような元気がなくなります。お気に入りのおもちゃを見せても興味を示さない、食事の時間にも起きてこないで寝てばかりいるなどの異変に気づいた時には、体調不良を疑いましょう。

特に猫がぐったりしている場合には、緊急を要する病気の可能性があります。しばらく様子を見ているうちに手遅れになってしまうかもしれないので、急いで動物病院で診察を受けてくださいね。

4.狭いところに隠れている

猫は体調が悪い時に、回復するまで隠れて敵から身を守ろうとする習性があります。愛猫が狭いところに隠れて出てこない時は、様子を見に行ってください。リラックスせずに警戒した体勢のまま休んでいたり、食事の時間になっても出てこなかったりする場合は、体調不良の可能性が高いです。

ただし嫌なことや怖いことがあった時にも、猫は狭いところに逃げることがあります。来客があった、雷が鳴ったなど愛猫が隠れる原因に心当たりがある場合は、気持ちが落ち着くまでそっとしておいてあげましょう。

猫のわかりにくい体調不良サイン

トイレ中の猫

1.呼吸の乱れ

運動をしたわけでもないのに猫の呼吸が乱れている場合は、猫風邪や猫喘息、心筋症、肺疾患、熱中症などの症状かもしれません。明らかに苦しそうに呼吸をしているのなら異変に気づきやすいのですが、猫は体が弱っていると気づかれたくなくて呼吸の乱れを隠そうとすることがあります。

猫が口を開けて呼吸をしている時や、息を一生懸命吸おうとするような大きな胸の動き、速くて浅い呼吸をしている時は要注意です。

正常な猫の呼吸回数は1分間あたり30回以下です。「呼吸の様子が変だな?」と感じたら呼吸数を数えてみましょう。少し様子を見ても状態が良くならない場合は、動物病院に連れて行くことをおすすめします。

2.喉を低く鳴らす

猫が喉をゴロゴロと鳴らすのはリラックスしている時や甘えている時のサインですが、実は体調不良の時にも喉をゴロゴロ鳴らすことがあります。

基本的に低音で喉を鳴らしている場合は体調不良のサイン、中低音の時はリラックスしているサイン、高音の時は甘えているサインだといわれています。愛猫が喉をゴロゴロ鳴らしていたら、ぜひ音の高さに注目してください。

逆に、いつもリラックス時にはゴロゴロ喉を鳴らしている猫が、じっとしているのに喉を鳴らさない場合は体調不良のサインかもしれません。普段から様子をよく観察し、比較することが大切です。

3.触ろうとすると嫌がる

病気や怪我で痛む部分がある時、猫は体を触られることを嫌がります。甘えん坊で飼い主さんとのスキンシップを好む猫は、いつもと態度が違うことがわかりやすいはずです。

一方、普段からスキンシップを苦手としている猫の場合は「触らないで!」と拒否されても、それが不調のサインなのか、気分が乗らないだけなのかが判断しにくいです。足を引きずって歩く、動きがぎこちない、お腹を庇うように丸まっているなど、他にも体に痛みを感じているサインが出ていないかどうか観察してみてください。

4.尿の量や色が変化する

猫は膀胱炎や腎臓病になりやすいので、尿の量や色を観察することは重要です。排尿の回数や量が増えている時や、逆にほとんど排尿していない時、また尿の色がいつもより濃くなっている時には、早めに動物病院で診察を受けたほうがよいでしょう。

愛猫の尿のチェックをする習慣がない場合や、排泄物の色がわからない猫砂を使用している場合は、異変に気づけない可能性があるので注意してください。

毎日最低2回は、トイレの確認を行いましょう。

まとめ

獣医の診察を受ける猫

猫の病気を早期発見・治療するためには、飼い主さんが愛猫の体調不良のサインにすぐに気づくことが大切です。しかし猫には、敵から身を守らなければならないという野生時代の本能が残っているので、体が弱っていることを周囲に悟られないようにする傾向があります。

飼い主さんは日頃から愛猫の様子をよく観察して、わかりにくいサインも見逃さずに愛猫からのSOSに応えましょう!

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