猫が『おしり』を気にしていたら…5つの原因とそれぞれの対処法とは

猫が『おしり』を気にしていたら…5つの原因とそれぞれの対処法とは

猫がおしりを舐めたり、おしりを床に擦り付けて歩いたりしている時は、おしりに気になるニオイや違和感があるサインです。何らかの病気が隠れている可能性もあるので注意しましょう。猫がおしりを気にしている時に、考えられる原因や対処法を解説します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

猫がおしりを気にする原因

おしりを気にする猫

1.肛門腺に分泌物が溜まっている

猫の肛門には肛門腺(肛門嚢)と呼ばれる袋状の分泌腺があり、強い臭いがする分泌腺が溜まっています。通常は排便時に分泌物も一緒に排出されるのですが、なかには分泌物が排出されにくく肛門腺に溜まり続けてしまっている猫もいるのです。

肛門腺に分泌物が溜まり続けると、おしりから悪臭がしたりムズムズしたりします。肛門腺の分泌物は、肛門腺絞りをすると排出できます。

2.肛門腺に異常がある

肛門腺の分泌物が正常に排出されずに溜まり続けてしまうと、ひどい時には肛門腺の炎症や肛門腺破裂を引き起こすことがあります。単に肛門腺に分泌物が溜まっている時よりも、猫はおしりの違和感を強く感じるでしょう。

肛門腺の分泌物が溜まりやすい猫は、肛門腺の炎症や肛門腺破裂といった異常が出る前に対処することが大切です。肛門腺の炎症や肛門腺破裂を引き起こしてしまった場合は、動物病院での治療が必要になります。

3.肛門周りに寄生虫がいる

瓜実条虫などの寄生虫が肛門周りにいるせいで、おしりにかゆみを感じている場合もあります。肛門周りをチェックして米粒のような白いものが付着していたら、瓜実条虫に寄生されているサインです。

室内飼いの猫でも寄生虫に感染するリスクはありますが、外に出る機会がある猫や保護した野良猫は、特に寄生虫がいる可能性が高いので注意してください。寄生虫がいる場合は、駆除薬を使って駆除する必要があります。

4.痔になっている

猫も便秘により、排便時に肛門が傷ついて痔になってしまうことがあります。猫がおしりを舐めたりこすったりするのは、傷ついた肛門の痛みやかゆみが気になっているからかもしれません。

おしりから出血していたり、便に血が混じっていたりする場合は痔の可能性が高いでしょう。愛猫が痔にならないように、便秘を改善することが大切です。

5.肛門周りに便が付着している

排便時に肛門の周りに便が付着してしまったせいで、猫がおしりを気にしているということも少なくありません。放置すると家の中が汚れてしまうので、すぐに綺麗にしたいですね。愛猫のおしりに便が付着している時は、湿らせたコットンなどで優しく拭き取ってあげてください。

猫がおしりを気にしている時の対処法

動物病院でおしりの診察を受ける猫

猫がおしりを気にして舐めたり、おしり歩きをしたりしている時は、何が原因なのかを突き止めて、原因ごとに適切な対処をする必要があります。まずはおしりに便が付着していないかどうかをチェックして、汚れている場合は綺麗に拭いてあげましょう。

便の付着が原因でないようなら、次に考えられるのは肛門腺に分泌物が溜まっているということです。肛門腺を絞って、猫がおしりを気にする様子が改善するかどうか確かめましょう。肛門腺絞りは自宅でもできますが、上手にやる自信がない飼い主さんは動物病院やトリミングサロンでやってもらうのがおすすめですよ。

肛門腺絞りをしても猫がおしりを気にし続けている場合は、寄生虫や肛門腺の炎症などが原因の可能性が高いです。早めに動物病院で診察を受けて、適切な治療をしてもらってください。

おしりの違和感は猫にとってストレスになるので、飼い主さんは愛猫がおしりを気にしているサインを見逃さずに、すみやかに対処することを心がけましょう。

まとめ

こちらにおしりを向ける子猫

猫がおしりを気にしている時は、かゆみや違和感の原因を考えて早めに対処することが大切です。

おしり歩きをする猫の姿は可愛らしいので、「かゆいのかな?」と微笑ましく見守ってしまう飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。しかし猫本人は見た目以上に辛い思いをしているということもあるので、おしりの異常を放置しないであげてくださいね。

また定期的に肛門腺を絞ったり、痔の予防のために便秘対策をしたり、おしりに便が付着しないようにおしりの毛を短く切っておいたりすることも重要です。日頃から愛猫のおしりを健康に、そして清潔に維持することを心がけましょう!

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