1.全身に起こる発作
猫のてんかんには、全身に症状が現れるタイプと部分的に起こる2種類に大別されます。全身に起こる発作の場合、突然意識が消失し気絶します。その後、身体をのけ反らせて硬直したりします。奇声をあげるケースも。
一般的なてんかんのイメージである四肢の痙攣やバタつかせる症状も発生します。全身に起こるてんかん自体は数分で治まります。ただし、猫によっては朦朧状態が長時間持続するケースもあります。
猫が意識消失を伴うてんかん症状を引き起こしたときは、猫の安全を確保しましょう。周りにぶつかりそうな物があるときはよけてあげたりしてあげるといいと思います。高いところや不安定な場所で意識を消失すると転落などの危険があります。安全を確保出来たら、極力猫の身体には触れずに経過を見守ります。むやみに手を出したり、抱っこしたりしようとするとお互いケガをしてしまうことがあります。てんかん中、大きな音を立てたり強い光を当てるなど余計な刺激は与えないよう注意してください。
2.部分的な発作
意識消失を伴わず、てんかん症状が部分的に起こるケースもあります。顔が痙攣してよだれが垂れている、手足の一部が震える、瞳孔が広がるなどの症状が現れます。ただし、部分的な発作を経た後、全身の発作に移行するケースも確認されています。
部分的な発作であっても油断ならないため、症状が発生したら高いところや不安定なところから降ろし、安全な場所で経過を観察しましょう。
3.気付きにくいてんかんの症状
てんかんの症状と聞くと、意識消失や手足の痙攣の印象が強いですが、気付きにくいだけでその他にも存在します。たとえば、手足を動かして空中遊泳のような動きをする、顎を噛みしめる、あくびを頻発する、そわそわするなどが挙げられます。口をくちゃくちゃ動かす、自分の尻尾を追いかけるなども、てんかんの前駆症状などの可能性があります。
いずれにせよ、そこまで大げさではないけど猫が普段とは様子が異なる行動をしていたときは、様子の一部始終を動画で撮影し、獣医師に相談してみましょう。
てんかんの原因と治療方法
猫におけるてんかんでは、脳疾患やケガによって引き起こされるケースが多いです。てんかんを引き起こす病気として、猫伝染性腹膜炎(FIP)などの感染症や脳炎・脳腫瘍などの脳に関わる疾患が挙げられます。
てんかんの治療方法には、原因となる疾病の治療と抗てんかん薬の処方があります。抗てんかん薬とは、あくまでもてんかん症状の発作を抑制するための薬です。抗てんかん薬だけでは、根本的な解決にはつながらないため原因疾患が特定されている場合は、そちらの治療も進めることが多いです。
まとめ
猫のてんかんは犬と比較すると発生率は低く、症状などもあまり知られていません。しかし、何らかの疾病を患うことで引き起こすケースが多く、てんかんについて何も知らないと思わぬ危険を伴うことも珍しくありません。
この機会に猫のてんかんについて理解を深め、万が一に備えておきましょう。