1.ノミ取りクシでブラッシングする
猫のノミは、ノミ取り専用のクシである程度取り除くことができます。ノミの成虫は体長2~3ミリほどなので、目の細かい専用のクシでブラッシングするとクシに引っかかるのです。クシについたノミは、水に沈めるか粘着テープにくっつけて処分しましょう。
猫の体についているノミを指でつぶすことは避けましょう。そのノミがメスだった場合、体内に卵を持っている可能性があります。つぶすことで、その卵を飛び散らせてしまう恐れがあるのです。
ノミ取りクシでノミを取っても、取り残した成虫がいるだけではなく成虫よりたくさんの卵やさなぎが猫の体についているので、ノミの駆除としては不十分です。
2.ノミ取り用シャンプーで体を洗う
猫のノミ取りシャンプーが市販されていますが、どうもそのシャンプーを使ってもノミの成虫を完全に落としきれなかった、という話が多いようです。
もちろん猫をシャンプーすればノミの糞を含めた汚れは落ちるでしょうが、生きているノミを完全には除去できないでしょう。
その上、ノミ取りシャンプーに含まれている有効成分はノミの卵やさなぎには効きませんので、やはりノミ取りシャンプーだけではノミの駆除は十分にできないでしょう。
3.ノミ取り用首輪をつける
ノミ取り用首輪とは、薬剤を染み込ませてあり、猫の首につけるだけで効果を発揮してくれるというもの。しかしこれも、市販のノミ取り用首輪をつけているのにノミがつくという話がよくあるようです。
また紛らわしいものに、ノミやダニ、蚊に対する忌避効果だけを持つ「ノミよけ」首輪も売られています。「ノミよけ」首輪にはノミの成虫を寄せ付けない忌避効果はある程度期待できるかもしれませんが、「ノミよけ」首輪にはノミを殺す効果はありません。市販のノミ取り用首輪やノミよけ首輪だけでは、ノミの駆除は不十分です。
また、ノミ取り用首輪の成分によって皮膚炎を起こす猫もいるそうで、注意が必要です。通常の首輪で接触性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎を起こす猫にも、ノミ取り用首輪はノミよけ首輪は使用しない方がいいでしょう。
犬用のノミ取り用首輪も市販されていますが、市販のノミ駆除製品に含まれていることのあるピレスロイド系殺虫際は、猫に対する毒性が犬より強いそうです。犬専用のノミ取り製品を猫に使うことは絶対にやめましょう。
ノミを正しく予防するには
ノミは繁殖力が強いですし、成虫には効いても卵やさなぎには効かない薬もありますので、一度寄生されてしまうと、完全に駆除するのは大変です。
そこで、ノミに寄生されないように事前に予防することが最も重要になります。ノミの予防は、ある種の寄生虫や感染症などノミが病原体を媒介する病気を予防するためにも重要です。
猫が外へ行くとどうしてもノミに寄生されるリスクが高くなるため、やはり室内飼いがおすすめです。ただし、完全室内飼いであっても飼い主の靴や衣服、あるいは同居の犬がノミを持ち込むことがあります。
飼い主が庭の手入れをしたり草地に入ったりした際は、帰って来たらすぐに着替えて着ていたものを洗濯すると、外からノミを持ち込む可能性は減るでしょう。外で他の猫と接触した後も要注意です。
ノミの予防に最も効果が高いのは、動物病院で買うことができるノミ駆除薬を定期的に使うことです。最近は、スポットオンタイプで首の後ろの皮膚に垂らすノミ駆除薬が最も一般的です。また、ダニやお腹の寄生虫、フィラリアなども同時に予防できる製品もあります。薬剤は投与後徐々に全身にひろがり、約1か月間体全体で効果を発揮します。
ノミの駆除や予防のために市販されているスポットオン製品もありますが、市販品は効果が低いというデータもあり、動物病院で処方してもらうと安心です。
動物病院で処方されるスポットオン製剤は、製品によって使える週齢が異なります。小さな子猫のノミ駆除を行いたい場合は、動物病院に相談してください。
まとめ
猫の身体にノミを発見したらノミを駆除する必要がありますが、最も効果的で安心して使える薬は動物病院で処方してもらう製品でしょう。それらの製品は、ノミを予防するためにも使えます。市販されているものは効果が限定的で、それだけではノミの駆除効果は不十分となることが多いようです。
猫のノミ駆除と予防を行うだけではなく、室内の掃除も徹底しましょう。特にソファやクッションなどはノミが隠れていることが多いので念入りに。布製品やホコリの中には、ノミの成虫だけではなく卵やさなぎがたくさん落ちていることも頭に入れて、ノミの駆除を行わなければなりません。
ノミは、『気温が13度あれば生存・繁殖できる』といわれています。すなわち、寒い冬の間でも、室内が暖かければノミが繁殖する可能性があるのです。
寒い時季も油断せず、正しい方法で愛猫をノミから守ってあげて下さいね。