猫に絶対NGな『春の植物』8つ!理由と食べたときの危険な症状とは

猫に絶対NGな『春の植物』8つ!理由と食べたときの危険な症状とは

春は多くの植物が花を咲かせます。イベントなどで頂いた花を室内に飾ることもありますよね。しかし、猫が口にすると危険な植物もあります。猫に危険な春の植物をご紹介します。

SupervisorImage

記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

猫に危険な「春の植物」とは

テーブルの上のスイセン

春に花を咲かせるさまざまな植物の中で、猫に絶対NGな植物にはどのようなものがあり、食べた際にはどのような症状が見られるのでしょうか。

1.スイセン

球根に特に多く含まれている「リコリン」や「タゼチン」などの成分が毒となります。摂取すると、下痢、嘔吐、低血糖、不整脈、けいれんなどが起こり、命に関わる状態になる場合があります。

アマリリスも、スイセンと同じヒガンバナ科の春の植物で、同様の毒性物質を含んでいます。

2.スミレ

種子と根茎に「ビオリン」「サポニン」「ビオラルチン」などの毒性物質を含んでいると言われています。大量に摂取すると嘔吐や神経麻痺を起こす可能性があるかもしれません。

園芸植物のパンジー、ビオラでは、種子にのみ毒性があるとも言われています。

3.デージー

「セスキテルペン」「ラクトン類」などの毒性物質が含まれています。食べると食欲不振、嘔吐、下痢、運動失調などの症状が出ます。

また、茎や葉の汁に触れると皮膚炎を起こすことがあります。デージーを含め、キク科植物全般には注意が必要です。

4.ヒヤシンス

スイセンと同じく「リコリン」などのアルカロイドが含まれていると考えられ、絶対に食べてはいけません。

また「シュウ酸カルシウム」も全草に含まれていて(特に球根に多い)、この成分の針状結晶による刺激で下痢や嘔吐などの症状を呈します。

また、切り口や汁が皮膚に接触すると皮膚炎を起こすこともあります。

5.チューリップ

チューリップと猫

すべての部位が猫にとって危険ですが、特に球根に多く毒性物質が含まれます。嘔吐、急性腎不全などが起こり、命に関わる危険な状態になることがあります。チューリップを生けてあった花瓶の水をなめるだけでも中毒を起こして死亡する場合があります。花粉にも注意が必要です。

チューリップを含むユリ科の植物は、猫にとってとても危険です。

6.ツツジ

「グラヤノトキシン類」という毒性物質が含まれています。すべての部位が猫にとって危険です。

嘔吐、下痢、よだれがでる、不整脈などを起こし、大量に食べると昏睡状態となることもありえます。

同じツツジ科のサツキやシャクナゲも同様です。

7.カーネーション

毒性成分が何かはよく分かっていないそうですが、摂取すると嘔吐などの軽度の胃腸障害が起こる場合があります。

猫はカーネーションを含むナデシコ科の植物を食べたがることがあるそうなので注意しましょう。

8.スズラン

「コンバラトキシン」「コンバラリン」などの有毒な成分を含んでいます。すべての部位が猫にとって危険です。

食べてから数分~数時間以内に吐き気、下痢、運動失調、不整脈などが起きます。重症になると昏睡状態となったり心不全が起こったりと、命に関わることになる可能性が考えられます。

なお、花瓶の水をなめただけでも中毒を起こす可能性があります。また、鉢や庭に植わっている場合は花後になる実には特に多く毒性物質を含むので、間違って食べてしまわないように特に注意が必要です。

猫が危険な植物を食べてしまったら

横になり聴診器を当てられる猫

猫が危険な植物を食べた疑いがあるときは、すぐに動物病院に電話をして連れて行きましょう。

飼い主さんが自宅で吐かせようとするのは危険が伴いますし、一刻も早く病院に連れて行く必要があります。

いつ、何を、どれくらい食べたのか、どのような症状が出ているのかを獣医師に詳しく伝えましょう。

まとめ

花瓶に入った花を見る座る猫

今回は、猫にとって危険な「春の植物」をご紹介しました。

春になると花を咲かせる植物が増えます。猫が植物で遊んだり、花瓶の水を飲んでしまったりすることで危険な状態となることも考えられます。

猫と一緒に暮らすのであれば、猫にとってどのような植物が危険なのかを知り、猫が食べないように対策を講じる必要があります。

スポンサーリンク