猫が『骨折』してしまう原因4つ!室内でも油断できない理由と折れているときの見分け方

猫が『骨折』してしまう原因4つ!室内でも油断できない理由と折れているときの見分け方

運動神経抜群で体が柔らかい猫は、やんちゃに動き回ってもあまり大怪我をすることはないというイメージがあります。家の中で生活しているぶんには安全…と思いがちですが、実は室内で猫が骨折してしまうことも少なくないため注意が必要です。猫の骨折の原因や、骨が折れているときの見分け方を解説します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫が骨折する原因

キャットウォークにいる猫たち

1.高いところからの落下

タンスなど高さのある家具の上から落ちたり、キャットウォークから落下したりすると、骨折してしまうリスクがあります。猫は基本的に、ある程度高いところから落ちても自分で体勢を整えて上手に着地できますが、運動不足の猫や肥満気味の猫、老猫や子猫は着地を失敗しやすいので要注意です。

若くて運動神経の優れている猫でも、床が滑りやすいと着地に失敗してしまいます。いざというときに猫が上手く着地できるように、フローリングにはカーペットやマットを敷くのがおすすめですよ。

またベランダから落下して骨折してしまう猫も少なくないので、愛猫が勝手にベランダに出てしまうことがないようにしっかり対策しましょう。愛猫がベランダで日向ぼっこをしたり外の景色を眺めたりするのが好きな場合は、落下防止ネットを設置するなどして転落を予防してくださいね。

2.低い段差からの落下

ソファや階段の下のほうの段など、1mに満たない低い段差から落下して猫が骨折する可能性もあります。高いところからの落下のほうが危険に思えますが、実は低い段差は高さがないせいで着地までに体勢が整えられず、受け身を取れないため怪我に繋がってしまいます。

猫の運動神経のよさを過信して、「ちょっとした段差から落ちても大丈夫」などと思わないほうがよいでしょう。愛猫がどこかから転落してしまった時は、たとえ落ちたのが低い段差からでも、骨折していないかどうかしっかり様子を観察してください。

3.飼い主さんに踏まれたり、押し潰されたりする

飼い主さんのことが大好きで甘えん坊な猫は、足元にまとわりついてくることが多いですよね。いつの間にか愛猫がそばに来ていることに気づかずに、飼い主さんがうっかり足を踏んでしまって猫が骨折してしまうケースがあります。また一緒に寝ているときに、飼い主さんが愛猫の体を押し潰してしまって骨折することも。

このような飼い主さんと愛猫が仲良しだからこそ起こる事故にも、十分に気をつけましょう。愛猫をうっかり踏んでしまわないように、常に猫の居場所は把握しておきたいところです。寝相に自信のない飼い主さんは、愛猫と別々に寝たほうが安心かもしれません。

4.交通事故

外で暮らしている猫は、交通事故で骨折したり命を奪われてしまったりすることが多いです。室内飼いの猫も脱走して交通事故に遭い、骨折などの大怪我をする危険性があります。「うちの子は大人しいから大丈夫!」などと油断せずに、脱走対策を徹底することで愛猫が交通事故に遭わないように予防しましょう。

猫が骨折しているときの見分け方

病院で診察を受ける猫

猫が落下してしまったときや足を踏んでしまったとき、飼い主さんは骨折していないかどうかを見分けて動物病院に連れて行くか判断する必要があります。骨折に気づかずに放置してしまうと、猫が痛みを我慢しなくてはならないうえに、後遺症のリスクもあるので注意が必要です。

猫が骨折している場合、足を引きずっている、腫れている部分がある、体に触ろうとすると嫌がる、動かずにじっとしているといった症状が現れます。また食事をとらなくなったときや口が半開きになっている場合には、顎を骨折している可能性が考えられます。少しでも気になる症状があれば、動物病院を受診しましょう。

猫の骨折は見分けがつきにくく、特に足の指などが折れていても飼い主さんが見ただけではわからないことが多いです。たとえ骨折が疑われる症状が出ていなくても、愛猫がどこかから落下してしまって心配な場合は、念のため病院で検査を受けるとよいでしょう。

まとめ

前足の手当てをしてもらう猫

お家の中という限られた空間で生活している猫にも、意外と骨折のリスクはあるようです。愛猫の運動不足解消やストレス解消のために、キャットタワーやキャットウォークを設置するのはよいことですが、万が一転落した時に備えて着地しやすいカーペットやマットを敷くなど、安全対策もしっかり取り入れてくださいね。

そして猫が骨折しているかどうかを、飼い主さんが正しく見分けることもポイントになります。明らかな骨折の症状が出ていなくても、飼い主さんが少しでも不安を感じた場合は、動物病院で診察を受けることをおすすめします。折れた骨を綺麗に元の状態に治すには、早めに適切な治療を受けることが肝心です!

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