人間にもうつる『猫カビ』の症状3つ!原因や治療法も解説

人間にもうつる『猫カビ』の症状3つ!原因や治療法も解説

愛猫の毛がはげていたら、ショックですよね?なぜ、そうなってしまうのでしょう。考えられる原因の一つとして「猫カビ」があります。猫カビではどのような症状が出るのか、そしてなぜ猫カビにかかるのか、治療の方法についても見ていきましょう。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

1.毛が抜ける

まん丸な猫

猫カビにかかると、毛が抜けます。猫カビは顔や手足に症状が見られることが多いですので、短毛の猫であれば、すぐに分かるでしょう。長毛の猫では、毛によって脱毛が隠されて気づきにくいこともあります。

体の複数箇所で毛が抜ける場合もあります。猫カビが進行すると、脱毛範囲が広がっていきます。特に子猫や保護したばかりの猫では注意深く見て、もし毛が抜けている部分があったら早めに動物病院へ連れて行きましょう。

2.皮膚が赤くなる

赤いサングラス

猫カビでは、皮膚が赤くなることもならないこともあります。皮膚が赤くなっていたら、何らかの原因で皮膚に炎症が起きているということですので、早めに動物病院を受診し、原因を突き止めてもらってください。

3.フケが出る

診察

猫カビに感染すると、多くの場合フケが出ます。脱毛部分に細かいフケが見られたり、脱毛部分の外周に大きなフケが見られたりします。かさぶたが見られることもあります。

その他の猫カビの症状として痒みが見られることもありますが、全く痒みがないことも多くあります。毛づくろいをしている時に、「一部だけ念入りになめているな。」と飼い主さんが思う程度のことも多いでしょう。

猫カビの原因とは?

スリスリ

猫カビとは、「糸状菌」という種類の真菌(カビ)による感染症です。「皮膚糸状菌症」や「真菌症」とも呼ばれます。感染している動物や糸状菌が付着している毛やホコリなどに接触することによって感染します。ペットショップや動物シェルターなど、他の猫がいる場所から猫を迎えた場合や、屋外で暮らしていた猫を迎え入れた場合は特に注意しましょう。

猫カビは、免疫力の低い子猫で多く見られます。成猫や老猫で発症した場合は、外から感染源が持ち込まれていないか、何か病気があって免疫力が下がっている状態ではないかを確認する必要があります。

猫カビでとても重要なことは、犬や人にも移る病気であるということです。そのため、猫カビが発生した場合は、症状のある猫だけではなく同居動物全員の治療と家の中の掃除と消毒、使っている布団類や猫グッズの消毒が必要となります。

猫カビが人に移った場合、とても痒い円形の皮膚炎をよく起こします。猫を動物病院に連れて行って検査・治療を行うとともに、飼い主さんも皮膚科を受診しましょう。

逆に、飼い主さんが外から原因菌を持ち込んでしまう場合もあります。野良猫に触れたり、保護猫のお世話をしたり、猫カフェで猫とたわむれてきたりした後は、愛猫を触る前に着替えをし、しっかりと手を洗いましょう。

猫カビの治療法

薬

猫カビの治療法には、塗り薬やシャンプーによる外用と飲み薬の内服があります。外用薬による治療では、クリームやローションを患部に塗ります。

抗真菌薬が入ったシャンプーでの薬浴が必要になることもあります。また治療を効果的にするために、毛を刈ることもあります。飲み薬はとても効果がありますが、副作用が心配されて使えないこともあります。

糸状菌は感染力が強い上、部屋に落ちている感染した毛などは何か月~何年も感染力を持ち続けるそうです。そのため、治療に時間がかかったり、家の中や猫グッズの掃除や消毒を繰り返し行う必要が生じる場合もありますが、根気よく向き合いましょう。

まとめ

元気のない猫

猫カビは、直接命に関わる病気ではありませんが、広がるととてもやっかいで、再感染しないように治療や消毒をきちんと行うことが重要です。放置しておいたら、同居動物や家族全員が感染した、などということにもなりかねません。早めに治療を開始すれば、猫も飼い主さんも負担が少なくて済むでしょう。

猫カビを疑う症状が出たら、早めの受診をお勧めします。

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