猫の座り方がいつもと違う
犬のおすわりのような座り方や、スフィンクスのような座り方、後ろ足を投げ出してお尻から腰で座る「スコ座り」など、猫にはいろいろな座り方があります。
猫の座り方には猫の気持ちがあらわれている場合もありますが、病気が影響している場合もあるのです。
以下のような座り方を猫がしているときは、病気やケガの痛みがある、お腹が痛い、関節に問題がある可能性があります。
- 座り方を何度も変える
- 長時間スコ座りをしている
- お腹を床に押し付けて座っている
- 暗いところでずっと座っている
猫の座り方が変なときに考えられる病気と対処法
では、猫の座り方が変なときに考えられる病気には、どのようなものがあるのでしょうか。
1.骨軟骨異形成症
手首や足首の関節がコブのように腫れ、関節に痛みが出る病気です。足を引きずったり、歩き方がぎこちなくなったりすることもあります。
スコティッシュフォールドに多い遺伝性の病気で、スコティッシュフォールドの折れた耳もこの病気の影響です。関節に体重がかかり負担にならないようにスコ座りをしている可能性があります。
治療法は痛みや炎症の緩和など対症療法です。重度の場合は手術もありますが、根本的治療法ではありません。
予防法もありませんが、普段から猫の動きを観察したり、関節の負担にならないように体重管理をすることが大切です。
愛猫の座り方や歩き方など異常が見られたら、早めに動物病院を受診しましょう。
2.変形性関節症
軟骨に問題があり、炎症が起きて痛みが出る病気です。動くのが辛そうになったり、座り方が以前と違ってきたりします。加齢や肥満などが主な原因です。
体重管理や、無理のない範囲で運動をして関節を支える筋肉を強化すること、痛みの緩和などの治療が行われます。
3.膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼の場合、膝のお皿の骨がずれてしまい、痛みが出たり歩き方や座り方がいつもと違うようになったりします。
猫には少ない疾患ですが、スコティッシュフォールドやペルシャなど一部の猫種では生まれつき脱臼しやすかったり、高いところから飛び降りたなどの衝撃で発症したりします。
重症度によって内科治療が行われたり、外科治療が行われたりします。
4.内臓疾患
膵臓や泌尿器、胃腸などの腹部臓器に痛みがある場合も、じっと座って耐えていたり、後ろ足を投げ出してお腹を出すように座ったりすることがあります。下痢や嘔吐をすることもありますが、行動や表情も体調不良に気づく指標になります。
また、肺や心臓などに問題がある場合も、落ち着いて座ったり寝たりできなくなるなど、行動がいつもと違ってくることがあります。
まとめ
猫の座り方は色々な種類があります。猫がいつもと違う座り方をしているだけだと見過ごしてしまうかもしれませんが、痛みをかばっている可能性があります。
猫は体に不調があってもそれを隠してしまう動物です。座り方や歩き方など行動を観察して、いつもと違うところがあれば動物病院に相談をしましょう。