猫の記憶力は良い?悪い??
「猫は3年の恩を3日で忘れる」ということわざがあったり、犬のように芸を覚えさせるのは難しかったりすることから、猫の記憶力はあまり良くないというイメージをお持ちの方もいるかもしれません。
しかしこれは飼い主さんに対してもそっけない態度をとることがあり、自分が興味を持てないことに関しては覚える気がないという猫の性格や習性によるものです。実は猫は記憶力に優れた動物で、時には飼い主さんが驚くほどの学習能力を発揮します。
では猫の記憶力には、人や犬と比べてどのような特徴があるのでしょうか。猫の記憶力の良さがわかる4つのヒミツをご紹介します!
猫の記憶力のヒミツ
1.短期記憶は人の20倍も優れている
記憶には一時的な記憶である「短期記憶」と、時間が経っても覚えている「長期記憶」という種類があります。猫は特に「短期記憶」に優れており、なんと人と比較すると20倍もの記憶力を誇るといわれています。
ただし猫がその優れた記憶力を発揮するのは、ごはんやおやつなど自分が興味を引かれるものに関する時だけで、興味を持てないことに関しては10秒ほどしか記憶を維持できないとのこと。記憶力のヒミツにも、自由気ままな猫らしさが表れているのですね。
2.興味のあることは長時間でも覚えていられる
「短期記憶」が優れている猫ですが、興味のあることや覚えておくと自分にメリットがあることについては「長期記憶」に移行するので、長時間でも覚えていられます。
アメリカで行われた実験では、エサを入れた箱にランプを灯して事前に教えておくと、猫は約16時間経ってもエサが入った箱を覚えていたという結果が出たそうです。犬もエサが大好きという点では猫と共通しているはずですが、犬の場合は5分ほどでエサの場所を忘れてしまったようなので、好きなものに関する猫の記憶力がいかに優れているかがわかりますね。
3.嫌な経験は忘れない
猫は大好きな食べもののこと以外にも、怖かったことや不快だったことに関しても忘れずにずっと覚えています。たとえば動物病院で注射をされた猫はその時の恐怖を忘れられず、次に動物病院に連れて行くと、たちまち逃げ出そうとするというのはよくあることですよね。
嫌な経験ほどよく覚えているのは、野生時代に敵から身を守って生き抜かなくてはならなかった猫ならではの、危険を回避するための本能です。苦手なお手入れや病院の度に愛猫に抵抗されて困っている飼い主さんもいることと思いますが、嫌な記憶のせいで怯えている愛猫が少しでも安心できるように優しく寄り添ってあげてくださいね。
4.生後2~7週間の子猫時代の記憶がある
人間の最も幼い頃の記憶は3歳ごろの出来事というのが一般的ですが、猫は生後2~7週間というかなり早い段階の記憶が残っているという説があります。
生後2~7週間は子猫が他の猫や動物、人間との関わり方を覚える重要な期間です。この社会化期に飼い主さんが愛情をたっぷり注いでお世話をし、他の動物や人にも優しく接してもらえれば、その記憶が影響して猫は社交的な性格に育ちやすいでしょう。
まとめ
今日のねこちゃんより:こうたろう♂ / 2歳 / 雑種(ミックス) / 5kg
猫はごはんやおやつといった自分の興味のあることや好きなものに関しては、人間が思っている以上の記憶力を発揮します。もしも一人暮らしのスタートや結婚を機に愛猫と離れて暮らすことになっても、あなたが愛猫にとって「大好きな人」になれていれば簡単に忘れられてしまうことはないでしょう。
ただし一緒に過ごしている間に愛猫のお世話を他の家族に任せっぱなしにしていたり、愛猫との絆を深める努力をしていなかったりする場合は、「猫は3年の恩を3日で忘れる」のことわざ通り、久しぶりに会いに行ったら忘れられていたということにもなりかねません。
また怖い・痛い・不快な思いをしたなど、嫌な経験も猫の記憶に強く残ってしまいます。しつけのために叩いたり怒鳴ったりしていると、猫はあなたのことをずっと怖がることになってしまうでしょう。
愛猫に「大好きな飼い主さん」として覚えていてもらうために、美味しいおやつをあげて一緒に楽しく遊んで、甘えてきた時には優しく撫でて…素敵な思い出をたくさん積み重ねていきたいですね♪