1.毛づくろい
猫はきれい好きな動物です。1日の中で、起きている時間の半分近くを毛づくろいに当てているとも言われています。
猫は全身の毛づくろいをする流れの中でおしりを舐めたり、トイレの後におしりの汚れをとるために舐めたりします。あまりに長時間舐め続けている、皮膚が赤くなったり毛がちぎれてしまう程に舐め続けているのでなければ、これは猫の正常な行動です。
2.ストレス、痛みやかゆみ
猫は体をきれいにする目的以外に、気持ちを落ち着かせるために毛づくろいをしています。
家族が増えたり減ったり、同居猫との折り合いが悪かったり、あまりに退屈だったりすることなどがストレスとなり、必要以上に体を舐め続けてしまうことがあるのです。
通常の毛づくろいは体の様々な場所を舐めますが、同じところをずっと舐めているのはストレスや体の異変があるときです。体に痛みやかゆみがある時は、その部位を執拗に舐めることがあります。
精神的なストレスによって過剰に毛づくろいをする場合は、肛門を舐め続けるというよりもおしり(腰)まわりをよく舐めます。他にも、お腹まわりや内またなども精神的な理由によってよく舐め続けられる場所になります。舐めすぎると、毛が抜けて(ちぎれて)しまったり、皮膚に舐め壊しが起きることが多くあります。
3.膀胱炎、尿結石
おしりを気にして舐めている時、実は外陰部が気になって舐めている場合があります。膀胱炎や結石などによる痛みや違和感からしきりに外陰部を舐めることがあるのです。
泌尿器系の異常がある場合、トイレに入ってもおしっこが少ししかまたは全く出ない、おしっこに血が混じる、頻繁にトイレに行く、トイレ以外でおしっこをしてしまうなどの症状が見られます。このような時は、出来るだけ早く動物病院を受診しましょう。猫がおしっこをしていないと命に関わる状態になってしまいます。
4.肛門腺に分泌物が溜まっている
猫の肛門の左右には、においのする液体を分泌する肛門腺があります。この肛門腺に違和感を感じて、猫がおしりを舐めている場合があるのです。
肛門腺のにおいは、猫同士のコミュニケーションに役立つ情報が含まれています。猫同士で相手のおしりのにおいを嗅いで情報交換をしたり、縄張りの主張のためのにおい付けに利用したりします。
通常はうんちをする時や驚いた時に肛門腺から分泌物が少量ずつ排出されますが、分泌物がうまく排出できなくなることがあるのです。分泌物がうまく排出できずに異常に溜まってしまうと違和感を感じますし、そこから炎症や感染が起きると肛門腺のまわりが腫れたり、痛みを伴ったりします。ひどくなると破裂したり膿が溜まったりして皮膚に穴が開いてしまうこともあります。
肛門腺に異常がある時、お尻を気にしてしきりに舐める他にも、お尻を床にこすりつけたりすることがあります。猫がおしりをしきりに舐めるなど気にしている行動が見られたら、動物病院で診てもらいましょう。
まとめ
猫がおしりを舐めるのは、体を清潔にするための正常な毛づくろいの一部として、また過剰な毛づくろいによって、体に異常があることが理由として挙げられます。
しきりにおしりを舐め続けている場合は、病気が原因の可能性があります。他にいつもと違う様子はないかチェックし、動物病院を受診しましょう。