1.結核
結核は結核菌によって引き起こされる感染症で、かつては日本人の死亡原因の第1位でもあり、「国民病」として恐れられていました。
その後、治療法の確立やワクチン接種、生活水準の向上などにより完治できるようになり、今となっては過去の病のように思われています。しかし、現代でも毎年約18,000人が結核を発症しているそうです。
この結核は「人畜共通感染症」でもあります。つまり、人と動物との間で感染する可能性があるのです。海外では人間の結核が空気感染や接触感染によって猫に感染した事例があります。また、猫から人に結核がうつったという報告もあります。
2.新型コロナウイルス
新型コロナウイルス感染症は、基本的には飛沫感染や接触感染で人から人へうつることが確認されています。しかし、海外では、飼い主からペットへ感染した事例が数件報告されているのです。猫が新型コロナに感染した例では、呼吸器や消化器の症状が見られたそうです。
人から猫へ新型コロナが感染したという事例はごくわずかですが、可能性がないわけではありません。猫に感染させないためには、飼い主が感染しないよう気をつける必要があるのです。
3.ノミやダニ
ノミやダニは、猫につくものと思われていますが、人間に付着したノミやダニが猫にうつることもあるので油断できません。草むらに入ったり、野良猫を触った後などに帰宅すると猫のいる家へノミやダニを持ち帰ってしまう可能性があるのです。
また、猫から猫にうつる病気であっても、人間が媒介してしまうこともあります。野良猫は感染症のウイルスを保有していることがあります。その野良猫を触った手で飼い猫に触れれば、飼い猫に病気をうつしてしまう危険性があるのです。
猫に感染させないために
猫も風邪をひきますが、人間の風邪のウイルスと猫に感染するウイルスは別のものなので、飼い主が風邪をひいたからといって猫にうつしてしまう可能性はほとんどありません。
人間の感染症で猫にうつる可能性のあるウイルスはそれほど多くありません。しかし、稀に猫にうつしてしまうこともあります。自分の体調が悪い時は、注意した方がいいでしょう。念のため、猫とは距離をとっておいた方がいいかもしれません。過度な接触は避け、食事を与える際は手を洗うなどの対策をとりましょう。
できれば、猫のお世話は他の家族におまかせして、ゆっくり休んで早く病気を治せるといいですね。
また、自分が媒介となって猫から猫へ感染させないために、他の猫を触った後は必ず手洗いをよくして下さいね。草むらなどへ入った時もノミやダニが付着しているかも知れません。帰宅したら着ていた服は猫に触らせないようにし、できれば早く洗濯した方が安心です。
まとめ
大切な愛猫に、病気をうつしたくはありませんよね。人から猫に感染する病気はごくわずかで、感染しても軽症や無症状のことが多いのですが、抵抗力が落ちていると発症することもあります。
人間も猫も感染症にかからないためには、うがいや手洗いといった病気の基本的な予防策が有効です。愛猫のためにも、普段から気をつけたいですね。