猫に「加湿器」が必要な理由とは
冬になって空気が乾燥すると、人間にも猫にもさまざまな健康への悪影響が起こるリスクが高まるため、加湿器はそのリスクを抑えるのに効果的なアイテムです。
では、猫にとって「加湿器」が必要な理由には、一体どのようなことがあるのでしょうか。
1.風邪を引きやすいから
冬にインフルエンザが流行するのには、理由があります。その一つは、空気が乾燥すると喉や鼻、気道の粘膜も乾燥してバリア機能が低下し、ウイルスや菌が入りやすくなるからです。
逆に、空気中の湿度が高ければ粘膜のバリア機能は下がりませんので、空気が乾燥する時期に加湿器を使って室内の湿度をあげるという作業は、とても重要なのです。
人のインフルエンザや風邪と同様に、猫の風邪も主な原因はウイルスです。喉や鼻が乾燥すれば風邪を引きやすくなるのは、猫も人も同じなのです。
2.皮膚が乾燥するから
猫の皮膚も乾燥し過ぎることがあります。猫がコタツの中やストーブの前に常に陣取っていると特に乾燥しやすいかもしれません。
皮膚が乾燥するとフケが出やすくなるだけでなく、皮膚のバリア機能が低下し、肌荒れや皮膚病を起こしやすい肌になってしまうことがあります。
3.静電気を軽減させるから
冬の猫は静電気でいつもバチバチする、というご家庭もあるかもしれません。それは、空気の乾燥以外にも、家庭内に多くある化学繊維の影響もあるからと考えらえます。
そのバチバチに猫がびっくりして不機嫌になったり飼い主さんを警戒したりすることもありますし、同居猫同士で喧嘩になったりすることもあるそうです。
加湿器を使って空気中の湿度を高めると電気が空気中へと逃げやすくなるため、猫に触った時に静電気が起こることが減るはずです。
4.静電気が色々なものを引きつけるのを減らすから
静電気の話が出ましたが、電気を帯びているといろいろなものを引きつけてしまうので、猫の体や毛が帯電しているとホコリや花粉、自分の抜け毛などをより多く体に引きつけてしまうでしょう。
猫はそれらをグルーミングによって飲み込んでしまいます。もしかしたらその影響で、喘息やアレルギー性疾患を持っている猫では症状が起きやすくなるかもしれません。
加湿器を使って空中湿度を高めて猫の体や毛が帯電しにくくなれば、冬に猫の毛に付着するホコリや花粉などを減らすことができるでしょう。
加湿器を安全に使うための注意点
ではここからは、猫がいるご家庭で安全に加湿器を使用するための注意点について解説いたします。
猫の安全のために
加湿器のサイズが小さいタイプだと、猫が側を走った際に落としたり、逆に大きいタイプだと猫が上に乗って転倒したり…。また、沸騰(スチーム、加熱)タイプは蒸気で火傷をする危険があります。
猫が思わぬ怪我をしないように、どんなタイプでも置き場所の工夫が必要です。猫が上がれない場所に置いたり、転倒防止グッズを使ったり、万が一転倒した際には自動停止する機能がついている加湿器を選んだりすると良いでしょう。
スチームタイプの加湿器を使う場合は、猫の手が届かないようにすること、猫が上に乗れないようにすることが大事です。
装置のお手入れはしっかりと
長期間使っていると、機械内部に菌が増えます。抗菌フィルターを使っていても、定期的に内部を掃除したりフィルターを適切な時期に交換しなければ、カビなどを空気中にばらまくことになりかねません。
メンテナンスをしっかりした上で使用しないと、却って人間と猫両方の健康にマイナスになるところが、加湿器最大の欠点です。
アロマオイルの使用は避けましょう!
アロマオイルは、猫の体によくないものの1つと考えられています。使い方によっては猫にも使えると言う人もいますが、安全性が確認されていないので、猫がいる空間でアロマオイルを使うことは避けた方が良いでしょう。
加湿器にもアロマオイルを使えるものがありますが、アロマオイルを使っての加湿器の使用は避けた方が良いでしょう。加湿器のミストによってアロマオイルの成分が猫の体表に付着したり体内に入ったりするだけではなく、誤った管理によって猫が直接アロマトレーやフィルターを舐めたりする危険性もあります。
まとめ
猫は比較的乾燥に強い動物なのですが、ある程度の湿度を保った方が健康には良いのです。
特に、冬場は何もしなければあっという間に湿度が20%くらいにまで下がり、人間にもさまざまな不調が出やすくなります。まずは湿度計を設置して室内の湿度をチェックして、湿度40%を切るようなら加湿器の出番!
ぜひ猫のためにも加湿器を用意して、彼らの健康をしっかり守ってあげましょう。