猫の前で『電子タバコ』は絶対NG!3つの理由と使用時の注意点

猫の前で『電子タバコ』は絶対NG!3つの理由と使用時の注意点

紙巻きタバコより有害物質が少ないとされている「電子タバコ」。しかし、「電子タバコなら、猫にも大丈夫でしょ?」というのは大きな勘違いです。愛猫の健康を守るために、NGとされる理由を把握しておきましょう。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

1.リキッドに含まれる「PG」が悪影響

電子タバコ

電子タバコは、タバコ葉を使用せず専用リキッドを加熱してその蒸気を吸うというもの。日本国内で販売されている電子タバコには、ニコチンが含まれていないため、安易に猫の前で吸っている人もいるようですね。

しかし、電子タバコで使用するリキッドに含まれている成分が、猫に健康被害をもたらすことをご存知でしょうか?

電子タバコリキッドの多くには、PGと表記されている「プロピレングリコール」という成分が含まれています。静菌作用があるので、コンビニのおにぎりや生麺にもよく使われている添加物ですが、これが猫にとって危険なのです。

その証拠に、人間の食べ物に普通に入っているPG(プロピレングリコール)は、『キャットフードに入れることは厳禁』とされています。

猫は少量でも摂取すると赤血球に異常をきたし、貧血を起こすなど中毒症状が出てしまうのです。

2.被毛に付着して舐めてしまう

被毛を舐める猫

紙タバコと違って、煙が出ない電子タバコ。そのため葉タバコ特有のニコチン臭さはないものの、ミスト状になったエアロゾルには、猫に有害なPG(プロピレングリコール)が含まれています。

電子タバコを部屋で吸えば、その蒸気が猫の体に付着することは想像できるはず。猫はグルーミングを重んじる動物なので、体についたPG(プロピレングリコール)を舐めてしまい、その結果PGが猫の体内に入ってしまうことがあります。

このように、猫が直接吸い込まなくても、猫が愛用しているソファやクッションに付着したPG(プロピレングリコール)が間接的に取り込まれてしまうのも危険要素のひとつです。

また電子タバコを吸った人の衣類にもエアゾロルが付着することも。そのため、電子タバコを猫のいない場所で吸ったとしても、その後に猫を抱っこしてしまえば同様のリスクがありますので控える必要があります。

3.ニオイがストレスになる

果物の香りがする電子タバコの煙

電子タバコは、基本的に紙タバコのように煙とニオイが出ません。猫に有害とされるPG(プロピレングリコール)も、無味無臭です。しかし電子タバコは、人間に好まれるよう香料が使われていることが多く、この香りが猫によくないのです。

猫はもともと強い香りを苦手とする動物。人間より嗅覚の良い猫にとっては、人間が気にならない程度の香りすらストレスになり得ます。

しかも、香りの種類によっては体調を崩す猫もいて、エッセンシャルオイル(精油)のティートゥリーで中毒症状を起こしたという事例は有名。基本的に猫を飼っているお家では、芳香剤や香水は推奨されないように、電子タバコに含まれる香料は、猫にとって決して良いものではないのです。

まとめ

煙に囲まれる子猫

紙タバコより安全な印象のある電子タバコですが、猫にとっては危険です。

もし電子タバコのリキッドに使われるPG(プロピレングリコール)を摂取し続ければ、猫は溶血性貧血という病気になってしまう危険性もあります。

さらには、仮に誤飲した場合、嘔吐や錯乱状態、心拍数の増加、けいれんなど、人でいう泥酔状態のようになってしまいます。重症になると、衰弱や昏睡状態、命に危険がおよぶこともあるのです。

電子タバコの中にはPGフリー(プロピレングリコール不使用)のタイプもありますが、その香料にPGが少量使われていることがあるそうです。

よって、PGフリーのタイプでも、猫のいる部屋で電子タバコは吸わないことが安全です。

愛煙家で愛猫家の人は、大事な猫にとって少しでもリスクの少ない方法で電子タバコを嗜好することをおすすめします。

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