猫にとって『ずっと一緒』は危険?3つのワケと適切な距離感とは

猫にとって『ずっと一緒』は危険?3つのワケと適切な距離感とは

猫の飼い主さんは愛猫に寂しい思いをさせないように、できるだけそばにいてあげたいと考えている方も多いのではないでしょうか。しかし猫にとって、誰かとずっと一緒にいる生活にはデメリットもあるのです。常に飼い主さんと一緒にいることが危険な理由と、猫と人の適切な距離感について解説します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

愛猫とずっと一緒にいると危険な理由

寂しそうにドアの前にいる猫

1.猫のストレスになる

猫は単独行動を好む傾向があり、常に誰かと一緒にいるような生活はストレスになってしまいます。たとえ心を許した大好きな飼い主さんが相手であっても、四六時中そばにいられると嫌だということです。猫にとっては、飼い主さんとスキンシップをとったり一緒に遊んだりする時間と同じくらい、ひとりで過ごす時間も大切なのです。

なかにはとても甘えん坊な猫もいますが、そういった性格の子でさえ構われすぎると負担になります。愛猫がひとり遊びに夢中になっている時やゆっくりと寛いでいる時、不機嫌な時などはそっとしておいてあげましょう。

2.甘やかしすぎてわがままになる

毎日長い時間一緒に過ごしていると、ついつい愛猫を甘やかしてしまう飼い主さんも多いのではないでしょうか。飼い主さんがそばにいると、猫は「構ってほしい」「遊んでほしい」「おやつを食べたい」など様々なおねだりをしてきます。甘やかして全てのおねだりに応えていると、猫がどんどんわがままになってしまうので危険です。

もちろんできるだけ愛猫の要求に応えてあげることは大切ですが、無理な要求にはNOと言える関係でなくてはなりません。たとえば在宅ワーク中に飼い主さんのお仕事を邪魔してまで「遊ぼうよ~」と甘えてくる猫もいますが、甘えられる度に愛猫の相手をしているとお仕事が捗らず困ったことになりますよね。

可愛い愛猫に対しても「今はダメだよ」と要求を拒否できるようになりましょう。日常的に甘やかされて育ちわがままになった猫は、飼い主さんがどうしても要求に応じられないとなった時に大きなストレスを感じます。ストレスにより、問題行動を起こすケースもあるので気をつけたいですね。

3.分離不安症になる

飼い主さんと一緒にいることが当たり前になり、精神的に依存してしまった猫は分離不安症になるリスクが心配です。分離不安症になると、飼い主さんと離れることに極度の不安を感じ、室内のものを壊したり鳴き続けたりといった症状が起こります。

安心してお留守番を任せることが難しくなり、ストレスから猫が体調を崩す場合もあるので注意が必要です。分離不安症にならないために、飼い主さんがそばにいなくても愛猫がリラックスして過ごせるように、普段から適切な距離感で接することがポイントになります。

猫との適切な距離感とは?

見つめ合う猫と飼い主さん

飼い主さんは日頃から適切な距離感でつき合うことで、愛猫のストレスや精神的依存を予防しましょう。猫とベタベタせずに程よい距離感でつき合うコツは、猫の気分に合わせて接することです。

猫は甘えたい時には自分から飼い主さんに近寄ってきてアピールするので、その時に思う存分可愛がってください。反対に猫が飼い主さんから離れてひとりで過ごしている時は、基本的にはそっとしておくのがよいでしょう。ひとりで過ごす心地よさを知っていてくれるほうが、分離不安症になるリスクを軽減できます。

また応じられない要求にはNOと言って我慢させる習慣をつけたり、お留守番の練習をしたりすることも大切です。慣れないうちは可哀想に感じるかもしれませんが、精神的な自立を目指すことが愛猫のためになると理解してくださいね。

まとめ

飼い主さんの手を掴んだまま眠る猫

飼い主さんにベッタリな甘えん坊の猫はとても可愛らしいですが、精神的に依存している状態はよくないです。「愛猫が寂しがらないように、ずっと一緒にいてあげよう」という飼い主さんの優しさが、猫にとってマイナスに働いてしまうこともあるのです。

ずっと一緒にいて構いすぎるのがよくないとはいえ、コミュニケーション不足になるのもNGなので、適切な距離感を掴むまでには飼い主さんも悩むかもしれません。愛猫との距離を見直そうと考えて、突然そっけなくすると愛猫が傷ついてしまう可能性も…。少しずつ様子を窺いながら、愛猫とのちょうどよい距離を探ってくださいね!

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