猫に抜歯が必要な症状とは?
猫の口の中はアルカリ性のため、ほとんど虫歯になることはないと言われています。しかし、キャットフードを食べている現代の猫は、口の中に汚れが残りやすく、歯周病などの口腔内トラブルを起こしがちなのです。
歯周病が進行すると、顔や顎の骨、内臓にも影響することがあります。高齢になると、麻酔のリスクが高まるため、抜歯が必要な場合は早めに抜いた方が良い場合があります。
歯を抜いてしまうと食事ができないのでは、と心配になりますが、猫はあまり噛まずに食べ物を飲み込んでしまうので、それほど影響はありません。猫の歯は、噛み砕くというよりは獲物を捕らえるためや捕らえた獲物を噛みちぎるためのものだからです。
また、唾液には消化酵素が含まれていないため、消化にも影響はないと言われています。
猫の抜歯のメリット
では、猫が抜歯をするメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
1.痛みがなくなる
抜歯することで患部を治療しやすくなり、症状の進行を防ぐこともできます。そのため、患部が治っていくことで痛みも消えていきます。
2.食欲が回復する
抜歯をすることで痛みから解放されるため、食欲が戻ってきます。
3.口臭が改善される
口腔内にトラブルがあると口臭も強くなりますが、それも改善されます。
猫の抜歯のデメリット
1.全身麻酔のリスクがある
猫の抜歯は全身麻酔が必要な手術です。麻酔のリスクがないとは言えません。特に高齢の猫になると全身麻酔ができない場合もあります。
2.費用がかかる
全身麻酔で抜歯手術を行うということは、費用もかかります。
一般的な動物病院の抜歯手術の相場は、抜歯する本数などによっても異なりますが、5~10万円程度です。この他に検査代や薬代などもかかります。
3.ドライフードが食べにくい
また、猫は歯がなくても食事にそれほど影響はないとはいえ、全抜歯の場合はドライフードが食べにくいこともあります。
そのため、ウェットフードへ切り替えなければならないこともあります。
全抜歯することもある?
猫の口内炎では、「全抜歯が最も効果的」と言われています。
猫の口内炎は、人間の一時的なものと違い、一度発症するとなかなか治りません。歯を治療しただけでは口内炎は治りにくいのです。
また、炎症は口内全体に広がってしまいます。さらに痛みが強いのが特徴です。そのため、ごはんも思うように食べられません。
そのような状態でも投薬治療で改善されない場合に、全抜歯が行われることがあるのです。
まとめ
猫の抜歯は、口内の状態により行った方が良い場合があります。メリットだけでなくデメリットもあることを知ったうえで、獣医師とよく相談しながら抜歯するかしないかを検討しましょう。
もちろん、抜歯が必要な状態にならないようにすることが最も大切です。定期的にデンタルケアを行うことで、口腔内のトラブルを予防できます。