猫飼いは知っておくべき安全な『観葉植物』3選 置くときに注意するべきポイントも

猫飼いは知っておくべき安全な『観葉植物』3選 置くときに注意するべきポイントも

猫を飼うと観葉植物は置けない…と思っている飼い主さんが多いと思われますが、実は猫と共存できる観葉植物は存在します!本記事では、猫にも安全な観葉植物と、それを猫にいる場所に置く時の注意点をご紹介したいと思います。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

1.猫草と総称されるもの

猫草を食べる猫

猫を飼っている方であれば「猫草」の存在はご存知だと思います。しかし、実はこの「猫草」という名前を正式名称とする植物が存在しているわけではありません。

一般的に「猫草」と呼ばれている植物は実は1種類ではなく、エン麦・大麦・ハト麦・エノコログサ・イタリアンライグラスなど、猫が好んで食べる草の総称なのです。

もちろんこれらは猫が好んで食べることから、猫のいる場所に置いておくこと自体には何の問題もありませんが、その際注意すべき点があります。

筆者宅の猫でもやってしまうことですが、「猫草」が好きすぎてその成長を待ちきれず、種撒きしたばかりの土を掘り起こされることがあります。また、無事に育った場合でも、猫が草を食べる時に鉢を倒してしまうことがありますので、倒されないように工夫を施す必要があるでしょう。

また、どれも葉だけを与え、穂や実は与えないようしましょう。特に雑草としてよく生えているエノコログサは「猫じゃらし」とも呼ばれ、その穂は多くの猫がよくじゃれつきます。もし穂や実を食べてしまうと、毛が食道や胃を刺激したり途中でつまってしまうこともあります。

2.アカサヤネムノキ

ネムノキ

この名前を聞いてもピンと来ない方が多いかもしれませんが、日本にも自生しているネムノキの一種です。もしかしたら「エバーフレッシュ」「エバーグリーン」と聞けば分かる方もいらっしゃるかもしれませんね。

子供の頃に、開いている葉っぱを振ったり撫でたりして眠らせる(葉を閉じさせる)という遊びをした方もいらっしゃるかもしれません。筆者の住んでいた地域では、子供同士での遊びの順番を決める際にも活躍していました。

この植物は猫にとって有害な物質を含まないようで、うっかり猫が葉っぱで遊んでしまったとしても問題はありません。ただし、鉢が倒れて割れた鉢の破片や土が散乱すると危険な場合もありますので置き場所には注意しましょう。

小さな鉢植えでしたら猫の手の届かない場所に置くのがベストですが、地震などで落下する危険のある場所には置かないようにしましょう。

3.ヤシ科植物

テーブルヤシと猫

ヤシ科と聞くと南国の大きなヤシの木を想像する方もいらっしゃるでしょう。観葉植物として一般的なヤシ科植物には「アレカヤシ」「テーブルヤシ」「シュロチク」などがあります。

これらは空気清浄効果があるとして、「エコプラント」とも呼ばれています。これらの葉を猫がかじってしまったとしても心配はありませんが、猫が遊んでしまい尖っている葉の先端が目に入ったりしないように気をつけたほうが良いですね。

ちなみに、猫がじゃれたり遊んだりしたくなる形状の葉であるため、即席の猫じゃらしとして活用しているお宅もあるそうですよ。もちろんその時は、飼い主さんが葉を1本手に取り遊んであげるのが前提となるでしょう。

ヤシ科植物の中でもサゴヤシは、猫に毒性のある物質(サイカシン)を含みますので猫に安全な植物ではありません。

まとめ

猫草と猫

観葉植物には猫に有害な種類がとても多いため、猫を飼うにあたって「観葉植物を置いてはいけない」と思われる方も多いようですが、実は猫が万が一かじってしまっても問題のない安全な観葉植物も存在します。

ただし、いくら猫に安全とは言っても、それは猫が中毒を起こすような物質は含まないということであって、葉をたくさん食べてしまったり枝や幹をかじって飲み込んでしまった場合の危険性はまた別の話です。観葉植物を置く時は、猫が気にしないか、いじらないかなどにも注意しながら様子を見ましょう。

また、鉢の転倒や落下にも注意して置き場所を確保する必要もあります。エアコンの風で葉が揺れれば猫がじゃれることもありますし、猫の手が届かないと思って高い場所に置けばある日突然そこに猫が到達できるようになっていたり、地震などの揺れで鉢が落下してケガをしてしまうこともあるからです。

事前に対策をする必要はありますが、植物の種類と置き方によっては猫と観葉植物の共存自体は可能なので、もし観葉植物を置きたいと思っているのであれば、猫にとって安全なものを選び、しっかりと安全対策を施して猫にも植物にも快適な環境を用意しましょう。

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