猫に『ブラッシング』をしないとどうなるの?3つのリスクと適切な頻度

猫に『ブラッシング』をしないとどうなるの?3つのリスクと適切な頻度

猫はいつも自分で毛づくろいをしてきれいにしていますね。でも、それだけでは十分とはいえません。飼い主がケアしてあげる必要があるのです。もし、猫にブラッシングをしないとどうなるのでしょうか?

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.毛球症になりやすくなる

猫にブラシをかける人の手

猫は、頻繁に自分で毛づくろいをしていますが、その際に抜け毛を飲み込んでしまいます。飲み込んだ毛は、吐き出したり、便と一緒に排出されますが、稀に体内に留まって塊になってしまうことがあるのです。それが、「毛球症」です。特に抜け毛の多い換毛期や、長毛種の猫は毛球症のリスクが高くなります。

毛球症になると、最初の頃は無症状ですが、体内の毛の量が多くなるにつれて、食欲がなくなったり、嘔吐や便秘などの症状が表れます。排出できない場合は、開腹手術で取り出さなければなりません。

2.体調の異変に気づきにくい

猫の頭にブラシをかける人の手

定期的に猫の体に触れていると、腫れやしこりがある、猫が痛がる、被毛の毛艶がないなど、体調に異変があった場合にすぐに気づくことができます。猫に触れる機会が少ないと、体調不良を発見するのが遅れてしまうかも知れません。

また、ノミやダニがついてしまった場合も、早く発見することができます。特に外へ行く猫はノミやダニがつきやすいので、ブラッシングを兼ねてこまめにチェックしましょう。

3.熱中症のリスクが上がる

仰向けになる猫と被毛のついたブラシ

夏場は、ブラッシングをしていないと熱中症のリスクも上がります。冬場は寒さから身を守るためにアンダーコートと呼ばれる、内側の細くやわらかい被毛が増えているため、暑くなる前にそれを取り除いてあげなければなりません。

特に長毛種の猫は、ブラッシングをしないと熱中症のリスクが高まりますが、短毛種でも寒い地域が出身の洋猫は冬の間にアンダーコートをたくさん蓄えているので気をつけましょう。

こまめにブラッシングをすることで余分なアンダーコートを取り除き、通気性をよくして熱がこもるのを防ぐことができます。結果的に熱中症の予防につながるのです。

猫のブラッシングの適切な頻度は?

女性の膝の上でブラシにじゃれる猫

ブラッシングは、飼い主と猫とのスキンシップとしても大切です。できれば子猫の頃からブラッシングに慣らしておくといいですね。成猫の場合は、まずブラシに慣れさせることから始めます。ブラシを見せて、ブラシで遊ばせてみましょう。慣れてきたら、少しずつ、猫が嫌がらない部分からブラシをかけるようにします。

ブラッシングの頻度は短毛種で週3回以上ですが、できれば毎日行いましょう。長毛種の場合は、毎日ブラッシングが必要です。換毛期は1日2回ブラッシングをしましょう。

ブラッシングをする際は、必ず猫用のものを使用します。短毛種なら、やわらかい素材の獣毛ブラシやラバーブラシ、長毛種なら根元までしっかり届くスリッカーブラシがおすすめです。
毛の流れに沿って優しくとかしていきます。嫌がる部分は無理にブラシをかけず、1回のブラッシングは3分程度にして、猫に負担をかけないように気をつけて下さいね。

まとめ

猫と3種類のブラシ

ブラッシングは、猫の健康を守るために大切なことですが、ブラッシングが好きな猫もいれば、苦手な猫もいます。嫌がる場合は無理をせずに、少しずつ慣れさせてみましょう。

使用するブラシやブラッシングの仕方によっても、猫が嫌がることがあるので、猫に合ったブラシで、猫が気持ち良いようやさしくブラシをかけてあげて下さいね。

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