「虐待」になりかねないNG行動
猫も私達と同じ尊い命です。何があっても虐待は許されません。しかし、たとえその気がなかったとしても、虐待になるような行動がいくつかあります。
今回は、猫に対して絶対にしてはいけないことを5つ紹介いたします。
1.叩いて叱る
如何なる理由があったとしても、叩いて叱るのは厳禁です。体の外傷はもちろん、心にも大きな傷が残ります。
飼い主さんに対する恐怖心や不信感が募るばかりで、何も改善することはありません。
2.暴言を吐く
暴言も立派な虐待です。特に大声で怒鳴るようなことは、猫に恐怖心を与えます。また猫も、人間の感情に気づけると考えられていて、科学的にもそのようなデータが出されつつあります。飼い主さんの表情や雰囲気、話し方などから感情を理解できる可能性があるのです。
《猫の感情を理解する能力についての論文》
Quaranta, A., d'Ingeo, S., Amoruso, R., & Siniscalchi, M. (2020). Emotion Recognition in Cats. Animals : an open access journal from MDPI, 10(7), 1107.
https://doi.org/10.3390/ani10071107
3.お世話をしない
暴力は「身体的虐待」、暴言は「心理的虐待」、そしてもう1つ、必要なお世話を怠ることは「ネグレクト(飼育放棄)」という虐待になります。
十分な食事を与えない・トイレ掃除をしない・必要なお手入れ(ブラッシングや爪切りなど)を行ってあげない・甘えを求めているのに全く構ってあげない、必要な運動をさせないなど、猫にとって必要なことをしない行為はネグレクトにあたります。
4.嫌がることをする
愛猫が苦手なことを故意にやり続けることも、度を越せば心理的虐待に繋がります。(例:音に敏感な猫が驚く姿が面白いからといって、日常的に物音を立てる)
5.動物病院に連れて行かない
猫の不調や怪我を把握しているのにも関わらず、放置し続けることも虐待に相当する行動です。
すぐには動物病院に連れて行けない事情があることもあるでしょうが、放置すればするほど、病状は悪化してしまい、治りにくくなります。愛猫に不調が現れた場合は、できる限り早く動物病院に連れて行きましょう。
判断や応急処置などの対処に不安があれば、動物病院に相談してください。病院の指示を仰ぎ、適切な対応を取るようにしましょう。
虐待を防ぐには?
悲しい虐待を防ぐには、次のような心構えを持っておくことが大切です。
終生飼育が可能かシミュレーションする
医療技術やキャットフードの進歩により、猫の寿命は伸びています。平均寿命は約16年、ご長寿さんでは20歳を超えるケースも珍しくありません。
猫を飼い始める際には、それだけの歳月を一緒に過ごせるかどうか(終生飼育が可能かどうか)、自分の人生設計や経済力などをふまえて慎重に考えることが大切です。
猫のことを理解する
猫にはやめられない習性がいくつかあります。例えば、爪とぎや高い場所に登る行動です。これらは躾で対処できるものではなく、それらの行動を制限すること自体が猫の福祉に反します。
専用の爪とぎを用意したり、キャットタワーを用意して代用するしかありません。猫の習性や、こだわりについて理解したうえで家族に迎えるようにしてください。
個性を尊重する
人間の性格が各々違うように、猫も1匹1匹異なる個性を持っています。兄弟でさえ性格が違うこともあります。
「猫とは〇〇」というような固定概念にとらわれず、個性を尊重して愛してあげてください。
まとめ
今回は、猫に対しての虐待となるNG行動について紹介いたしました。猫も感情を持ち、人間の感情を理解する動物です。嫌がることをしたり、心に傷が残るようなことをしてしまうと、猫の精神的な健康が損なわれる恐れがあります。
たとえ悪意がなくても、虐待になりかねない行動もあるので気をつけましょう。
悲劇を生まないためには、猫を迎えられる環境かどうか・猫ならではの習性に対処できるか・どんな個性でも尊重して最後まで愛してあげることができるかなど、慎重に考えることが大切です。