猫のために絶対してはいけない『夏のNG行為』4つ

猫のために絶対してはいけない『夏のNG行為』4つ

暑い時期に気をつけなければいけない、熱中症や食中毒。それは、猫も同じです。飼い主の不注意で、猫を命の危険にさらしてしまうこともあります。飼い主が猫に対して絶対にしてはいけない夏の行為とは何でしょうか?

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

1.ウェットフードの与え過ぎと食べ残しの放置

缶詰を抱えて寝る猫

暑いと食欲が落ちるのは猫も同じ。でも、ウェットフードなら食べてくれるという猫は多いのではないでしょうか。ウェットフードは嗜好性が高く、水分も摂れるので、食欲がない時にはうってつけです。

ただし、食事として与えるなら一般食ではなく総合栄養食を選ぶようにして下さい。一般食のみを与えていると、栄養が偏ってしまうからです。

ウェットフードは嗜好性が高い分、猫がもっと食べたいとおねだりすることもあります。おねだりされるがままに与えると、食べ過ぎになって下痢をしたり肥満になったりすることもあるので、決められた量を守って与えましょう。

また、ウェットフードには水分が多いため、食べ残しを放置すると、雑菌が繁殖してすぐに傷んでしまいます。残ったフードは早めに片づけるようにしましょう。お皿もこまめに洗って下さいね。

2.氷を与え過ぎる

水を飲む猫

夏には冷たい飲み物がおいしいですよね。猫の水も冷たい方がいいだろうと氷を入れている方もいらっしゃると思います。時々氷を入れてあげたり、氷をそのまま与えて猫が氷をなめたり遊んだりするのはも問題ありません。

しかし、冷た過ぎる水を飲んでいると、お腹を壊して下痢をすることがあります。お腹を冷やすほど与えるのはやめましょう。特に体が冷えやすい子猫や老猫では、冷たくない水の方が適していることも多いでしょう。また、冷たい水を好まない猫もいます。

猫に対しては、冷たい水を与えるより、新鮮な水をいつでも飲めるようにしてあげることを優先した方が良いでしょう。水を入れた食器は、複数個所に用意しておきましょう。夏場は水も傷みやすくなります。水はこまめに取り替えて下さい。

その上で、氷を入れるとよく水を飲んでくれる、水に入った氷で遊ぶのが好きなようであれば、与え過ぎない範囲で与えましょう。ただし、もし猫がいつも氷をガリガリ噛んでしまう場合には、歯を痛める可能性がありますので気を付けてください。氷を与えるのをやめるか、すぐ溶けてしまい噛めないほど小さな氷にしてあげましょう。

普段あまり水を飲まない猫でも、水道の蛇口から直接飲むのが好きという子は多いのではないでしょうか。水分摂取量が心配な猫には、水が流れ出る自動給器を使用すると興味を持ちやすくなります。

3.猫が自分で居場所を選べない

エアコンと布団の中の猫

猫に留守番をさせる場合、暑い時期はエアコンをつけたまま出かけるのではないでしょうか。その際、涼しい場所とそうでもない場所などと、猫が自分で居場所を選べるようにしましょう。

例えば、猫が他の部屋や廊下などへも移動できるようにドアは開けておいたり、ケージ内でのお留守番の場合には敷物をしいた場所と潜れるベッドの両方を用意しておきましょう。涼しさに合わせて猫が自分で快適な場所を選べないと、快適に過ごせなかったり冷え過ぎたりするからです。

また、家の状況によってはキッチンや浴室の換気扇を回しておくとより良いかもしれません。

浴室の床はひんやりしているので、そこで涼む猫は多いですね。状況が許せば、浴室のドアを開けておくといいでしょう。ただし、浴槽の水は必ず抜いて下さいね。水をはったままの浴槽に落ちると、溺れる危険性があります。

エアコンの設定温度や風向きにも注意が必要です。猫に寒すぎることのないように、また風が直接猫のケージに当たったりしないようにし、スイング設定で風が動くようにしておくのも良いでしょう。

4.つけるのは扇風機だけ

卓上扇風機と猫

人間は、汗が蒸発することで体温を下げることができるため、扇風機の風を涼しいと感じます。でも、猫は体の一部からしか汗をかくことができないので、体温を下げるためには扇風機は人間ほどには効果的ではありません。暑い時期には、扇風機だけではなくエアコンを使ってあげましょう。

また、動いている扇風機に興味を持って手を出すと、倒してケガをする危険性もあります。コンセントを噛むことで感電する恐れもあります。

扇風機カバーやコンセントカバーなどを使って安全対策をするのはもちろん、少しでも不安がある場合には、飼い主の目の届かないところ、特に留守中に扇風機を回して出かけるのはやめましょう。

まとめ

猫にも、暑い夏を少しでも涼しく過ごしてもらいたいものです。しかし、人間と同じ方法が良いとは限りません。

体温調節がうまくできない子猫や高齢猫では、特に注意しなければいけません。飼い主の留守中も十分気をつけたいものです。

ペット用の暑さ対策グッズも多くの種類が販売されていますので、それらを活用するのもいいでしょう。工夫しながら、この夏も猛暑を乗り切って元気に過ごしてほしいと思います。

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