1.悪性腫瘍
猫の死亡原因で最も多いのが悪性腫瘍です。猫の死亡原因の約3割は、悪性腫瘍なのだとか。
悪性腫瘍と一口に言っても、発生部位は様々。体のいたるところにできる可能性があります。人間と同様、猫の悪性腫瘍でも、早期発見、早期治療が根治には重要です。
悪性腫瘍の中でも体表にあるしこりは、普段からスキンシップをしていることで、発見しやすくなります。尿や便に血が混じることもあります。貧血や体重減少が見られることもあります。
日頃から、猫の様子をよく観察し、異常があった場合には、すぐに気づいてあげることが大切です。
2.腎不全
腎不全には急性腎不全と慢性腎不全がありますが、猫の場合は多くが慢性腎不全です。主な原因は、加齢による腎臓機能の低下です。
腎不全になると、体重減少や食欲減退の他、多飲多尿が見られます。ただ、症状が現れた時は、かなり進行しているといっていいでしょう。腎臓の機能が低下すると、もとに戻ることはないため、治療は進行を遅くしたり、症状を緩和するためのものです。
腎不全の予防としては、腎臓への負担を軽くするため、塩分摂取量に気をつけるとともに、いつでも新鮮な水が飲めるよう用意をしておいてあげましょう。
猫がちゃんと水を飲んでいるか、時々チェックしてみて下さい。
定期的に健康診断を行い、獣医師に相談しながら高齢期用のキャットフードもしくは早期腎臓ケア用のフードに切り替えるなどすると、腎臓にかかる負担は大きく軽減します。
排泄を我慢することも悪影響を与えます。トイレはいつも清潔にして、猫が使いやすいようにしておきましょう。
3.伝染性腹膜炎(FIP)
伝染性腹膜炎は、発症すると治癒が難しく、多くの猫が命を落としています。伝染性腹膜炎の原因は、猫腸コロナウイルスの突然変異によるものです。
猫腸コロナウイルスは、ほとんどの猫が感染しますが、普段は病原性が低いため、症状が現れても軽い下痢程度で済みます。しかし、稀に猫腸コロナウイルスが猫伝染性腹膜炎ウイルスに突然変異することがあり、こうなると、強毒化してしまうのです。
猫腸コロナウイルスの突然変異は、免疫力の低下やストレスによって起こりやすくなります。そのため、ストレスをためないことが、予防になります。
猫を病気から守るために
猫の死因のワースト3が、悪性腫瘍、腎不全、伝染性腹膜炎です。次いで、心臓病や肝臓病と続きます。猫も長生きできるようになったと同時に、加齢に伴う病気のリスクが高まっていることも事実です。
病気を防ぐためには、食事や運動に気をつけ、ストレスをためないようにしましょう。去勢・避妊手術を行うことで防げる病気もあります。動物病院での、定期的な健康チェックも忘れないようにしましょう。
まとめ
バランスの良い食事を与え、運動ができる環境を整えることは、猫に元気でいてもらうためには、とても重要です。しかし、どんなに気をつけていても、病気になってしまうことはあります。
近年は動物医療の進歩や、住環境、食生活の向上もあって、猫の平均寿命が延びています。しかし、それと同時に、老化に伴って起こりやすい病気も増えているのです。
愛猫が命に関わるような病気になってしまった時は獣医師とよく相談のうえで治療を進めるとともに、飼い主との触れ合いを大切にしながら、猫が心地よく過ごせるよう工夫してあげましょう。
病気の治療は高額だったり、長期にわたることも多く、経済的負担も少なくありません。ペット保険に加入するという方法も、万が一の時に適切な治療を受けさせてあげるため、検討してもいいかもしれません。