猫から『依存されやすい飼い主』の特徴4つ!依存関係が招きやすいトラブルとは?

猫から『依存されやすい飼い主』の特徴4つ!依存関係が招きやすいトラブルとは?

従来は、飼い主とペットとの間に依存関係が生じるのは主に犬だといわれていました。しかし近年、愛猫との依存関係も目立つようになってきています。飼育形態の変化が、愛猫と飼い主との関係性にも変化をもたらしたようです。愛猫から依存されやすい飼い主の特徴や、愛猫との間に依存関係ができることで招きやすいトラブルについてご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

愛猫が飼い主に依存することは良いことか?

そばを離れない猫

飼い主さんとペットとの間に依存関係ができることで、さまざまな問題が起きていることをご存知でしょうか。従来、依存関係が生じるペットは主に犬だとされていました。しかし近年は、愛猫との間の依存関係も目立つようになってきました。

愛猫から依存されることを喜ぶ飼い主さんもいるようです。相思相愛だと思われるのでしょう。しかし「頼られる=愛される」とは限りません。そもそも猫は、飼い主さんに頼らざるを得ない面が多いのです。

猫は、早ければ生後5ヵ月には最初の発情期を迎え、メスは子猫を産んで育児をし、オスは交尾相手を得るために他のオスと戦います。何から何までを飼い主さんに依存してしまっては、本来の猫ではなくなってしまうのです。

強すぎる依存心は、愛猫にとっても飼い主さんにとっても、好ましいことだとは言えません。

猫から依存されやすい飼い主の特徴

PCモニター後ろから覗く猫

1.在宅時間が長い

在宅時間が長い飼い主さんは、自ずと愛猫と接する時間も長くなります。同じ空間を共有する時間が長くなるほど、お互いに親密度が増すのは自然なことです。

一緒にいれば、何をする場合も自然に愛猫が目に入り、ついサポートしてしまうでしょう。愛猫も、ひとりきりになる機会が少ないため、徐々に飼い主さんへの依存心を強め、姿が見えないと不安そうな様子を見せるようになるかもしれません。

2.一匹狼タイプ

飼い主さんが一匹狼タイプで、親しい友人・知人も少なく組織にも所属していない場合も、愛猫との依存関係が強くなる可能性があります。

飼い主さんの意識がどうしても愛猫に向きやすくなり、自然と愛猫への関与の度合いが増すため、お互いの親密度が高くなっていきます。

3.自分に自信がない

猫の爪切り

自分に自信のない飼い主さんも、依存されやすいタイプになる可能性があります。自分に自信のない方は、「自分は誰からも必要とされていない」という劣等感に陥りやすいです。しかも人は誰しも、他者から認められたいという承認欲求を持っています。

自分に自信のない飼い主さんは、何を言ってくるかわからない人間よりも、ご飯やお世話を素直に求めてくる愛猫に対して気持ちがいきがちになるかもしれません。その結果、何よりも愛猫のことを優先に世話を焼き、過剰に世話を焼かれた猫も、それだけ飼い主さんへの依存度を増していくのです。

4.興味の対象が少ない

興味の対象があまりなく、趣味もなければ仕事への関心もさほど深くないというタイプの飼い主さんも、興味や関心が飼い猫に集中してしまい、過剰に世話を焼くようになる傾向がある可能性があります。

依存関係が招きやすいトラブル

寝る時も一緒

依存関係とは、2者が互いに相手を頼り合う関係のことです。2者は人同士のこともあれば、人と猫の場合もあります。心理学では、2者が過剰に依存しあい、かつその関係性に囚われている状態のことを共依存といいます。

飼い主さんと愛猫の依存関係も、この共依存に陥りやすいと考えられます。特に自分に自信がない飼い主さんの場合、愛猫の世話をすることで承認欲求を満たそうとして必死に世話を焼き、それが益々愛猫の飼い主さんへの依存度を高める結果になっていきます。

では、飼い主さんと愛猫の依存関係が招きやすいトラブルをご紹介します。

猫の分離不安症

鳴いて引き止める猫

愛猫が飼い主さんへの依存度を高めることで、「分離不安症」という病気を発症することがあります。飼い主さんの姿が見えなくなると不安になり、さまざまな問題行動が出てしまうという病気です。

留守番をしている時や飼い主さんの姿が見えない時だけ下記のような行動が見られるようなら、分離不安症の可能性が疑えます。

  • トイレ以外の場所に粗相する
  • 家中のものを破壊する
  • 大声で鳴き続けて近所からクレームが来る
  • 同じ場所をグルーミングし続けて脱毛や皮膚炎になる

飼い主の分離不安症

愛猫と離れていると不安でたまらなくなるという症状が、飼い主さん側に現れることもあります。

家で留守番をしている愛猫のことが気になって仕事が手に付かない、誰と会話してもいつも愛猫のことばかり話題にする、といったことに心当たりのある飼い主さんは、愛猫との距離感を見直した方が良いかもしれません。

深刻なペットロス

猫の供養

依存関係の有無に関わらず、一緒に暮らした愛猫が亡くなれば、悲しくない飼い主さんはいません。しかし、依存関係にあった飼い主さんの悲しみは、より深くて深刻なものになりがちです。

愛猫の世話をすることで自身を肯定していた飼い主さんにとって、自分を肯定できることがなくなってしまうのですから、愛猫を亡くした悲しみに加え、自信喪失や飼い猫を死なせてしまった自己嫌悪のような感情を抱く場合もあるでしょう。

猫の寿命は15年強です。長生きしてくれても、20数年です。一緒に暮らし始めたその日から、飼い主さんは、必ず愛猫との別れの日が来ることを意識しておく必要があります。

まとめ

飼い主に抱き着く猫

単独で生活し自立心が強いのが、本来の猫の姿です。しかし、愛猫として長期間飼い主さんと生活を共にすることで、いつまでも子猫のように強い依存心が残ってしまう猫が増えてきています。

飼い主さんは常に愛猫の立場に立って考え、愛猫が健康で快適に長く暮らせるようにする責任があります。しかし度を超すと、愛猫との間に過剰な依存関係が生まれ、お互いがつらい思いをすることになるケースもあります。

猫から依存されやすい飼い主さんの特徴を参考にして、もし心当たりがある場合は愛猫との距離感を見直すきっかけにしてみてください。

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