1.猫は虫歯になりにくい
一般的に、猫は「虫歯になりにくい」といわれているよう。その理由は、いくつかあります。
まず、挙げられるのが「歯の形状」。猫の歯は人のように「臼状」ではなく、ハサミのような形をしています。そのため、菌や食べ物のカスが溜まりずらく、虫歯になりにくいと考えられているのです。
また、猫は口の中のpH度が高く、ややアルカリ性のため、虫歯菌が生息しずらいというのも理由のひとつ。万が一飼い主さんの持つ虫歯菌が猫に移ったとしても、生き残れないと考えられます。
猫の口の中に虫歯菌がいない以上は、飼い主さんには移らないということになるようです。
2.猫の歯は噛み合わない
人の奥歯は、食べ物をすりつぶすために噛み合うようになっています。ですが猫の歯は、ぴったりとは噛み合いません。少しずれた上下の歯が、まるでハサミのように肉を噛みちぎるような構造になっています。
ですから、愛猫の歯を見たとき、人のようにぴったりと噛み合っていなくても、異常ではないようです。猫には猫特有の構造があると、知っておくとよいかもしれません。
3.噛む力は人の倍近い
普段、愛猫に噛まれたとしても、強い痛みを感じたり、ケガを負ったりということはないかもしれません。ですが実は猫の噛む力は人の倍近くあるといわれており、本気で噛んだ場合は手のひらに穴が開く、といわれることも。
愛猫に噛まれてもケガをしないのは、猫が手加減をしているからでしょう。
ただ、命の危険を感じた場合などは本気で噛んでくることがあるため、注意してください。万が一噛まれた場合は猫の持つ菌に感染し、重症になる可能性があるので医療機関を受診した方がよいです。
4.一番多い病気は「歯周病」
猫の歯の病気で一番多いのは、「歯周病」です。なんと、3歳までに70%の猫が発症するとか。それほどまでにかかりやすい病気なのです。
予防するには、毎日のデンタルケアが重要となります。可能ならば子猫の頃から、口の中を触られることに慣れさせ、歯ミガキができるようにするのが理想的かもしれません。
5.虫歯に似た病気がある
猫の歯が徐々に溶けて行ってしまうという、一見虫歯かと思うような病気があるようです。「破歯細胞性吸収病巣」といいます。原因は虫歯菌ではなく、「破歯細胞」という猫の歯周組織にある細胞が、歯を溶かしてしまうのです。
歯頚部に小さな虫食いのような穴が開くことから始まり、やがて歯が溶けたようになり歯肉に吸収されてしまいます。
愛猫がご飯を食べずらそうにしていたり、口周りに血がついていたりするときは、すぐに動物病院を受診しましょう。もしこの病気なのであれば、早期に治療することで、苦しみから愛猫を解放してあげられるかもしれません。
まとめ
今日のねこちゃんより:ポンちゃん♀ / 6歳 / サビ猫 / 4.1kg
猫の歯は、人のものとは形も役割も大きく異なっています。ですが健康に生活するために重要なパーツだというのは、間違いありません。しっかりとケアをして、キレイに保ってあげるとよいでしょう。