1.発情期を迎えた
発情期の猫は、いつもよりよく鳴くようになります。それも、普段あまり聞かないような「アオーン」「ギャオーン」という独特な大きな声なので、飼い主はびっくりしてしまうかもしれません。
メス猫は、発情期を迎えると、オス猫にアピールするために鳴きます。オス猫はその声を聞いて応えるというわけです。
発情期の猫は、鳴き声以外にも粗相をしたり、外へ行きたがるなどの行動が見られます。これらはしばらく続くので、その間は飼い主も大変です。近隣に鳴き声が迷惑にならないかも気になりますね。
繁殖の予定がなければ、去勢・避妊手術を受けさせると、発情期の行動を抑えることができます。もちろん手術にはリスクがないわけではありませんので、獣医師とよく相談のうえ、検討して下さいね。
2.ストレスを抱えている
猫がよく鳴くようになる前に、猫を取り巻く環境の変化などはなかったでしょうか。例えば同居家族が増えた、減った、新しいペットを飼った、模様替えをした、引っ越ししたなどです。
猫は、人間が思う以上に繊細。これらの変化に弱く、ストレスを抱えやすいのです。ストレスを抱えていると、よく鳴く以外にも過剰なグルーミングなどの行動が見られ、体調を崩してしまうこともあります。思い当たることがある場合は、ストレスの原因となるものを取り除いてあげるのが一番です。
とはいえ、対処が難しい場合もありますよね。室内の変化には、今まで通りの家具の配置にしたり、猫のにおいのするものをそばに置いて安心させてあげましょう。家族構成やペットに変化があった場合は、今まで以上に猫の様子を気にかけてあげて下さい。
3.認知症によるもの
高齢になると、猫も認知症を発症しやすくなります。現代では、猫の平均寿命も延びているので、認知症になる猫も増えているのだそうです。
認知症になると、よく鳴くようになり、それ以外にも粗相をしたり、同じ場所をウロウロと歩きまわるなどの行動も見られます。
認知症と診断されたら薬物治療が行われることがありますが、完治することはありません。日頃からスキンシップやコミュニケーションをとることで刺激を与え、脳を活性化し、認知症を予防することも大切です。
4.分離不安症によるもの
飼い主と離れると鳴くという場合は、分離不安症という病気かも知れません。飼い主と離れることに強い不安を感じてしまうのです。そのため、鳴いたり問題行動を起こすことがあります。
分離不安症は、完全室内飼いで単独で飼われている猫に多いといわれています。飼い主に依存し過ぎることで分離不安症を発症してしまうので、過保護にし過ぎないことが予防につながります。
分離不安症になってしまった場合は、すぐに改善するものではありませんが、獣医師と相談しながら根気よく治療を続けていきましょう。
まとめ
猫がいつもと違う行動を見せる時、そこには何らかの原因があります。いつもよりよく鳴くのも、理由があるからです。
鳴く以外にも、原因によって他の行動や症状があらわれることがありますので、愛猫の様子をよく観察して、鳴いている理由を見つけてあげて下さい。その理由によって、対処の方法も異なってきます。
また、体に痛みがあって鳴くこともあります。病気やケガを抱えていることもありますので、様子がおかしいと感じたら速やかにかかりつけの動物病院を受診しましょう。