「良いおしっこ」の特徴
尿は便と同じく健康のバロメーターです。まずは、健康状態が安定している「良いおしっこ」の特徴を挙げてみます。
- 澄んだ黄色であること
- 座ってから数秒で排尿が終わること
- 落ち着いた様子であること
- 臭いが強烈でもいつもと変わらないこと
個体差こそありますが、体重が4kgの場合、1日あたり約100ml程度の排尿があれば正常です。
ただしこの尿量は飲むお水の量やごはんなどによって左右されますのであくまで目安にしておきましょう。
「病気が疑わしいおしっこ」の特徴
明らかに赤い尿が出ている時は血尿だと気づきやすいでしょう。ところが、必ずしも分かりやすい兆候が現れてくれるとは限らないのです。
ここからは、要注意な尿の特徴を5つ紹介いたします。
1.刺激臭が強い
元々猫の尿はツンと鼻を刺すような臭いがします。それがいつにも増して強い場合は、細菌性膀胱炎の可能性があります。
逆に、普段と比べて刺激臭が和らいでいる場合は慢性腎臓病・糖尿病が隠れている可能性があります。
いずれにしても、臭いに違和感を覚えたら要注意です。他の症状がないかチェックしてください。
2.量や回数に異変がある
何度もトイレに行くのにあまり出ていない場合は、膀胱炎や尿路結石の疑いがあります。
逆に量が多い場合は腎臓病や糖尿病の可能性があります。
これらの異変が見られたら、できるだけ早く受診してください。
3.猫砂が光っている
猫砂をすくい上げ際に、砂がキラキラしていたら要注意です。
ダイヤモンドのような結晶が混ざっていたり、砂がラメのように光る現象は尿路結石の可能性が高いです。
たとえ元気そうに見えても、次の日には診察を受けてください。この後紹介するような痛みの兆候がなく治療ができるため、愛猫への負担が軽減されます。
病院で「オシッコがキラキラしている」と伝えれば大丈夫です。
4.排尿時の行動がいつもと違う
残尿感による不快感や痛みがあると、次のような行動の変化が現れます。
- ソワソワして落ち着きがない
- 唸り声や悲鳴のような声をあげる
このような様子の変化と共に、尿量や臭い、色味にも変化が起こる場合が多いでしょう。愛猫自身もかなり辛い状態なので、できればその日のうちに診てもらってください。
5.色がおかしい
猫は砂に排尿するため、色による判断は難しいかもしれません。白っぽい砂であれば、次のような色の変化と病気の可能性に気づきやすくなります。
- 赤や薄ピンク:血尿(膀胱炎や尿路結石)
- オレンジ色:ビリルビンの排出(肝機能低下)
- 濃い黄色:脱水症状
- 透明に近い:多飲により薄い(腎臓病や糖尿病)
おしっこトラブルは予防できる!!
辛いおしっこのトラブルですが、日々の生活の中で気をつけていれば防げるものが多いのです。次のような配慮をしてあげてください。
トイレ環境を整える
猫にとって快適なトイレ環境を整えてあげましょう。いくつか例を挙げてみます。
- 最低でも猫の頭数+1個のトイレがある
- 体長の1.5倍の大きさがある(理想のサイズ感)
- こまめに掃除をし、清潔感を保つ
留守番時間が長い場合はトイレの数を増やしたり、砂の量を多くして対応してあげましょう。愛猫にとって不快な環境になると、我慢が原因でトラブルが起きてしまいます。
ストレスケアをしよう
ストレスは万病の元。十分な睡眠と適度な運動、愛猫が好むスキンシップを図り、ストレスを溜めない生活をサポートしてあげましょう。
水を飲もう
祖先が砂漠で生活していた影響で、猫はあまり水を飲まなくても平気な体になっています。これがおしっこトラブルが多い最大の要因です。
新鮮な水を用意する・ウエットフードを併用する・微量のマタタビを混ぜるなどの工夫をしてみてください。
水道水特有のにおいが苦手そうであれば、湯冷ましを作ってあげると良いでしょう。カルキが抜け、臭みや雑味がないまろやかな水になります。
ちなみにミネラルウォーターはNGなので気をつけましょう。豊富なミネラルが逆に結石の原因となり膀胱炎を起こす可能性があります。
まとめ
今回は病気が疑わしい尿の特徴を中心に、普段の生活で意識してほしいことを紹介いたしました。怖い尿というと血尿を想像するかもしれませんが、実際には多彩な特徴がありましたね。
猫はとても我慢強いので、ぐったりしてからでは治療が長引いてしまうこともしばしば。おしっこの状態を入念にチェックしてあげましょう。
いつとも違う違和感は飼い主さんにしか見抜けません。些細な異変でもおかしいと思ったら、遠慮せずにかかりつけの病院に相談してください。