猫がよだれを出す原因と対策は?
猫がよだれを出すことはあまりなく、よだれを垂らしている時は何かしらの異常があると考えられます。
今回は、猫が異常によだれを出す時に考えられる原因とその予防策について解説をしてまいります。
1.口内のトラブル
口内炎や歯周病、口内の火傷や腫瘍など、口の中に何らかのトラブルがある場合、よだれをたくさん出してしまうことがあります。
猫は人間とは違い虫歯にはなりませんが、口の中で起きるトラブルはたくさんあります。けんかや交通事故で顎や口をけがして、よだれが出るようになることもあります。
口内炎は、猫白血病ウイルス感染症や猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)、また上部気道感染症の症状の一つとして見られることも多くあります。
歯周病にならないためには、歯磨きが効果的です。ブラシでの歯磨きができない場合でも、定期的に愛猫の口の中をチェックし、できるだけ歯磨きシートやなめるだけでも効果のある歯磨きペーストなどを利用して、歯垢や歯石などが溜まらないようにケアしてあげましょう。
猫では、猫破歯細胞性吸収病巣(FORL)と呼ばれる、激しい痛みを伴いとても治りにくい口内炎・歯肉炎が見られます。FORLについては多くのことが不明ですが、免疫機能の異常が関連しているとも言われています。痛みによってごはんを食べられなくなることもありますので、痛みや炎症をできるだけおさえる治療が行われます。
また、口内やけどに関しては、熱い人の食べ物を食べてしまった場合や飼い主さんがフードを温め過ぎて、温度をチェックせずに猫に与えてしまった場合などに起こるかもしれません。人の食べ物を食べてしまわないように、また温めたフードを与える時には必ず「ぬるま湯程度の温度」になっているかしっかりと確認しましょう。
2.消化管のトラブル
食道の炎症によって食道粘膜への刺激があったり、異物誤食による消化管閉塞を起こした場合に気持ちが悪かったりして、よだれを出すことがあります。
消化管に異常がある場合、嘔吐や食欲不振など、よだれ以外にも何か異常が見られることが多くあります。日頃から猫の様子をよく観察するとともに猫が食べ物以外の物を食べてしまわないように十分に対策をし、いつもと違った様子がある、何か食べ物ではないものを食べてしまった場合には、動物病院に相談しましょう。
錠剤やカプセルの薬を飲ませた時に、薬が喉や食道にはりついてしまい食道炎を起こすことがあります。猫に薬を飲ませた後は、十分に水を飲ませましょう。
3.肝臓や腎臓、膵臓などのトラブル
腎臓病、肝臓病、膵炎や糖尿病などにおいても、吐き気やよだれが症状の一つとして出ることがあります。
どれも、健康に気を付けた生活をしていてもなってしまうこともありますし、先天性の病気もあります。しかし普段からしっかりと飲水させたり、栄養バランスのとれた食事を与えたり、肥満にさせないことでできるだけ防げる病気もあります。
猫の病気は重症化してから発覚するパターンも多いため、以前とは違うなと思うことがあったら早めに動物病院を受診したり、定期的に健康診断も受けておくのがおすすめといえます。
4.脳や神経のトラブル
てんかんや脳神経系の異常などにより、よだれを大量に出すこともあります。
てんかん発作には多くのタイプがありますが、全身で暴れるような発作中やその後、体の一部に起こる発作の後などによだれをたらすことがあります。
また、脳や顔の神経に起きた異常により、よだれを出してしまうこともあります。
脳や神経の異常は防ぐことは難しいものが多いですが、少しでも動きがおかしいと感じた時点で早めに病院で診てもらうのが良いでしょう。
5.中毒
何か苦いものをなめてしまっただけでもよだれを出すことがあります。飼い主が飲ませた薬やしつけ用のスプレーなど、猫の口に入って安全なものであればまだいいのですが、猫にとって毒性のあるものをなめたり食べてしまって中毒を起こし、よだれを出すこともあります。
洗剤や消毒液、人間用の薬、観葉植物、飾っている花束や植物を生けている水など、猫にとって危険なものは家の中にもあります。猫にとって毒性のあるものを間違って口にしないよう、猫が中毒を起こすものは何かを知り、それらを猫の生活環境に置かないようにしましょう。
中毒を起こしている場合、よだれの他にもふらつきや元気がない、尿の異常などが見られます。急に猫の様子がおかしくなり、何かの中毒が疑われる場合には、すぐに動物病院に連絡をしましょう。食べてしまった物や量によっては、早くしないと命にかかわる場合もあります。
まとめ
猫はあまりよだれを出すことはありませんが、大量にまたは長時間よだれを出している場合は、今回紹介したような異常があることが考えられます。すぐに動物病院に相談をし、早めに然るべき処置をしてあげましょう。