恐るべし猫の嗅覚!!
鼻が利く動物といえば犬ですが、猫も嗅覚が優れています。その能力は人間の20万倍以上ともいわれているのです。
そういえば、よく匂いを嗅いでいますよね。時々「くっさ〜」というリアクションも見られます。実はあの反応、臭がっているいるわけではないのです。
あの独特な顔はフレーメン反応といいます。
猫の鼻腔(上顎と鼻の中間あたり)には、ヤコブソン器官という匂いを分析する場所があります。
空気と一緒に匂いを取り込むことで、匂いの正体が掴みやすくなることからあのような反応になってしまいます。猫の鼻は匂いに敏感なのです。
猫にも香りの好みがある!!
私達を取り巻く環境は、常に匂いで溢れています。癒される香りもあれば、不快な香りもありますよね。
猫にも香りの好みがあります。嗅覚が優れている猫は、どのような香りを好み、どのような匂いが苦痛なのでしょうか。
1.落ち着く匂いといえば「飼い主さん」
いつもそばにいる飼い主さんの匂いは、猫にとって最も安心できる香りです。
特に着古した衣類には、猫が大好きな飼い主さんの匂いがたっぷりと染み付いています。愛猫が不安になりやすい場面では、この服が活躍するでしょう。
お気に入りの場所に置いて出かけたり、通院時はキャリーケースに入れてあげましょう。
2.マタタビは酔いしれるほど好き
マタタビにはネペタラクトンという成分が含まれています。
これは猫のフェロモンに近い構造を持っているため、猫に好まれやすいのです。
爪とぎ器で爪を研ぐことを覚えさせたい時、何となく食欲がない時はマタタビをふりかけると良いでしょう。
ただし、少ない量でお願いします。
マタタビを摂取することは飲酒をするようなもの。摂取量が多いと、興奮して攻撃的になってしまいます。
3.柑橘系の香りは不快
猫は柑橘系の香りを嫌います。猫にとって酸っぱい匂いは腐敗臭を連想させてしまうからです。野生の世界では、お腹を壊せば死に直結します。
そのため、本能的に酸味が強い香りを避けようとするのです。
4.アロマの香りは危険
猫は香りの強いアロマを好みません。ただ苦手というだけではなく、とても危険な存在です。
肉食動物である猫は、グルクロン酸抱合ができないために解毒作用が弱く中毒を起こしやすいです。
アロマの原液であるエッセンシャルオイルを分解することができず、中毒症状を引き起こします。
5.刺激臭も苦手
ハッカやミント、ハーブのような爽快な匂いも猫の鼻には刺激が強く好まれません。感覚的には腐敗臭に近い存在だからです。
ちなみに香辛料(唐辛子やチョコレート)の香りも苦手です。これらもアロマと同様に、中毒を引き起こす可能性があります。嫌うだけではなく、身に危険が及びます。
ただし、ハーブにはいくつか例外があります。
直接食べなければ大丈夫なものもありますし、キャットニップのように好まれるものもあります。
普段の生活で気をつけてほしいこと
猫は嗅覚が優れているため、匂いには敏感です。
普段の生活の中では、次のようなことに気をつけてください。
アロマは焚かない
苦手な香りとして挙げたように、アロマは猫にとって大変危険な存在です。
たとえ犬用であっても危険性は変わりません。猫がいるご家庭ではアロマを使用しないでください。
ちなみに犬は肉食寄りの雑食です。猫の肝臓とは構造が違うため、犬用であれば大丈夫なかおりが猫より多いです。
香りの好みは個体差がある
好きな香り・嫌いな香りには個体差があります。
苦手な猫が多い、湿布の匂いやメンソールタバコの匂いを好む猫もいます。
危険な匂いを嫌ってくれる分には良いのですが、好かれてしまうと誤って口に入れてしまう可能性が出てきます。
愛猫の好みを把握し、危険なものは避けるように心がけてください。
香りが強すぎる柔軟剤・香水は使わない
柔軟剤の匂いが濃すぎると、飼い主さん本来のにおいが分からなくなってしまいます。
いざという時に安心感が得られなくなるため、香りが強すぎる柔軟剤は控えたほうが良いでしょう。
香水も嗅覚が優れた猫には不快です。
猫と暮らしていなくても、猫がいるご家庭にお邪魔する時は使用しないでください。
まとめ
猫は匂い分析のプロであり、匂いフェチです。
余談ですが、猫カフェなどで浮気をして帰ると威嚇されることがあります。
これも優れた嗅覚がなせる技。「なんで他所の猫のにおいがするの?」と警戒しているのです。
好きな香り部門では飼い主さんの匂いがトップといえるでしょう。これは嬉しいですね。帰宅したら、気が済むまで匂いを嗅がせてあげましょう。
逆に猫が苦手な香り、危険を伴う香りは避けるようにしてください。
好き嫌いには個体差があります。危険なものを好んでしまう場合は、より一層気をつけましょう。