現代っ子の猫は飼い主さんに依存する!?
猫は常にマイペースで、飼い主さんに依存するイメージはあまりないかもしれません。
しかし最近では、甘えっ子の猫が飼い主さんから離れられないという現象が目立つようになってきました。
留守番をさせる度に問題行動を起こしたり、体調を崩してしまう場合は依存度が高い「分離不安症」である可能性があります。
具体的には暴れる・イタズラをする・粗相をする・体調を崩すなどの行動や不調を来たします。
分離不安症の原因
もちろん甘えっ子の猫が皆、分離不安症になるわけではありません。
以下のように、いくつか原因となる特徴があります。
1.常に人がいる環境で育った
複数の家族がいる場合、常に誰かしら人がいる環境で育つことがあります。
そうすると、密着して過ごすまではいかなくても、人の気配があるのが当たり前になります。
長時間ひとりですごした経験がないため、ひとりになると不安を感じやすくなるのです。
2.スキンシップが多い
在宅中は頻繁に猫を撫で、構ってほしいと催促されれば常に猫を優先する。
全てが猫中心になってしまうと、猫の依存度が増してしまいます。
スキンシップ自体はとても大切なのですが、要求に応えすぎると我慢することを覚えなくなってしまいます。
寂しい時にどうやって気持ちを切り替えるのか、そのスキルが身につかなくなってしまうのです。
3.飼い主さんの環境が変わった
猫は、飼い主さん側の環境の変化にも敏感に反応してしまうことがあります。
例えば結婚や出産、在宅勤務で家にいる時間が増えたなどが挙げられます。
飼い主さんの在宅時間が増えても不安定になってしまうの?と不思議に思うかもしれませんね。
1番目のケースとは異なり、これまでひとりで過ごす時間が長かった猫にとっては、飼い主さんが家に居過ぎることもストレスになることがあるのです。
4.留守番中に怖い思いをした
運悪く留守番中に地震が来たり、雷が鳴ったりすると、恐怖体験として記憶に残ってしまいます。
ひとりでいると怖いことが起こると思ってしまい、留守番が苦手になることがあります。
5.病気や高齢による不安
高齢になると身体能力が徐々に衰えてしまいます。若くても病気を患うと、一時的に弱った状態になります。
猫は本能的に警戒心が強いので、今の状態では襲われてしまうかもしれないと不安になってしまうのです。
母猫のように心強い飼い主さんが離れてしまうことが耐え難い苦痛になってしまいます。
分離不安症の予防と対策
愛猫に分離不安症になりやすい要素がある、若しくは既に起きている場合、どのように対応すれば良いのでしょうか。
- 落ち着ける場所を作る
- いざという時に隠れられる場所を作る
- 猫がひとりで過ごす時間を作る
- 毎日決まった時間に遊んであげる
- テレビをつけたまま外出するなど
一緒に過ごす時間が長い場合は、敢えてひとりにする機会を設けましょう。
地震や大きな音に備えて、安心して隠れられる場所を確保することも大切です。
そしてメリハリのある生活を送ることにより、必ず遊んでくれるという安心感が芽生えます。
高齢猫の場合は、可能であれば留守番時間が短くて済む方向で調節してあげましょう。
まとめ
現代っ子の猫は人との触れ合いが多い環境になりやすく、意外にも依存することがあります。
何事もなければ良いのですが、分離不安症の兆候がみられたら予防策が必要になります。
性別でいうと、去勢手術を受けたオス猫のほうが依存しやすいという特徴もあります。
意識的に適度な距離感を作り、ひとりで留守番ができるように工夫してみてください。
生活環境が変化した場合は、できる限りこれまでと同じ接し方をしてあげましょう。猫は変わらないことが何よりも安心だからです。