夜間救急動物病院の役割とは?
動物の夜間救急には次のような役割があります。
- 夜間専門で診察を行う
- 適宜検査を行う
- 必要に応じて手術をする
- かかりつけの動物病院と連携を取る
夜間救急を利用すべき症状
夜間救急の存在自体は知っていても、実際に利用するには少し敷居が高い気がしますよね。
ここでは緊急性の高い症状を5つ紹介いたします。愛猫の身に起きてしまったら、気を遣わずに速やかに受診してください。
1.子猫や高齢猫の下痢・嘔吐
猫にとって下痢や嘔吐は比較的身近な症状です。
若い成猫にこれらの症状があっても、元気があれば翌日まで待つことができるケースが多いです。
しかし、子猫や高齢猫の場合は違います。
どちらも衰弱につながりやすいため、夜間にこれらの症状が出た場合は、早い段階での治療が必要になります。
2.誤飲・誤食
本来食べては困るものを誤って食べてしまった場合は、すぐに処置が必要なケースがほとんどです。
特にひも状のおもちゃが腸に到達すると、腸管にくい込んでしまって命に関わります。
猫にとって危険な食べ物(ユリ科の植物・ネギ・玉ねぎ・チョコレートなど)も、急性腎不全や神経症状が現れる可能性があり、大変危険です。
かかりつけの病院が診療時間外であれば、最寄りの救急病院に連絡し、指示を仰ぎましょう。
来院の指示があれば直接診察を受けてください。
3.体が冷たい・呼吸が苦しそうなど
明らかに体が冷たい、若しくは異様に熱くなっているなどの体温の異変、呼吸が荒く苦しそうにしているなどの異変が見られたら、夜間救急を利用しましょう。
発熱が疑われる場合は体を冷やしながら受診してください。冷たい場合は急激に温めるのは危険な場合があります。
まずは飼い主さんの体温で温め、その後毛布などに包んで温めるようにします。毛布で温めた状態で受診してください。
猫の場合、口を開けてハァハァと呼吸をしていたら苦しいと判断してください。
口の中が白っぽくなっていたり、紫色になっている場合は「待ったなし」で受診しましょう。
4.発作が起きた
脳や神経系に病気があると発作が現れます。夜間の場合は、夜間救急を頼りましょう。
ただし、発作が起きている最中は無理に動かすこと自体が危険になります。
大抵の場合は1~2分程度で落ち着きます。治まるまでは見守りましょう。
慌てて抱き抱えたり、背中をさする行為は控えてください。攻撃を受け、飼い主さんが大怪我をする可能性があります。
怪我につながりそうなものを退かし、様子を見ます。
診察役立てるために、動画を撮っておくことをおすすめします。
5.怪我をしてしまった
家庭内で起こりやすい猫の怪我は、高い場所からの転落(着地の失敗)です。
転落に気づいたら、全身に触れて痛みがないか確認してください。
痛がる箇所がある・歩き方が不自然・うずくまって動けないなどの異変があれば夜間であっても診察を受けましょう。
異変が起きたら慌てずにやってほしいこと
夜間救急を利用するほどの異変が起きたら動揺して当たり前です。
でも、愛猫を救うためにも、まずは飼い主さん自身が深呼吸をして落ち着いて行動してください。
ここからは、慌てずにやってほしいことの例を紹介いたします。
状況確認
まずは、愛猫がどのような状況にあるか(具体的な症状など)を確認してください。
動画を撮る
呼吸の変化や発作の状況など、言葉で説明するのが困難な症状もあります。
また、猫は平静を装うため、病院に到着した後は空元気な行動をとることもあります。
何れの場合も、正確な状況を伝えるために動画が役立ちます。不自然な行動がみられた時は動画を撮るようにしてください。
病院に連絡して指示を仰ぐ
意識が朦朧としている、呼吸困難を起こしているなどのケースを除き、まずは夜間救急の病院に連絡してください。
判断に迷った場合も、遠慮せずに電話で相談してください。
電話での問診から、適切な対処法を指示してくれます。来院の指示があれば病院に連れて行きましょう。
まとめ
猫は言葉を話すことができません。そして、猫の1日は人間の約4日分に相当するため、急激に症状が進行することもあります。
いざという時に備えて、地元の夜間救急動物病院を調べておきましょう。
かかりつけの動物病院にリーフレットが置いてある場合もあるので、チェックしてみてください。
もしも夜間に異変が起きてしまったら、冷静に状況を把握し、救急病院に相談してください。何事も早めのアクションが重要です。