暮らしに役立つ!!薬にまつわる豆知識
猫も病気になると薬が処方されます。そもそも猫の薬にはどのような特徴があるのでしょうか。人間の薬とは何が違うのでしょうか。
ここでは、猫の薬に関する豆知識を3つ紹介いたします。
1.処方される薬の約8割は人間用
猫の治療に用いる薬の約8割は人間用の薬です。残りの2割には、フィラリアやノミ・ダニ対策の薬が入ります。
大きく異なるのは分量です。成分そのものは同じでも、体格差があるので使用できる量は当然変わってきます。動物病院では、厳密に計量したうえで処方しています。
同じだからといって、飼い主さんの薬を愛猫に飲ませる行為は危険です。絶対にやめましょう。
2.犬と猫用の薬もほぼ同じ
ノミ・ダニ対策の薬は、犬用と猫用に分かれていますよね。実は、主成分そのものは変わりません。
何が違うのかというと、体重や皮膚の構造に合わせて用量や濃度が異なっています。
猫の平均体重は3kg〜5kgなのに対して、犬は犬種によってまちまちです。人体重以外にも犬と猫では必要な薬用量が異なります。
そして、犬と猫は皮脂の量にも違いがあります。背中に滴下する薬の場合、皮脂量が多い犬は広がりやすく、少ない猫は広がりにくいという特徴があります。
ノミやダニの予防薬以外の内服薬などでも動物の種類によって必要な約用量が異なりますし、犬には大丈夫でも猫には禁忌の薬もあります。全く同じではありませんので、獣医師の指示通りに投薬する必要があります。
3.食後30分以上経過してから飲ませるのが◎
「いつ飲ませるか」については、獣医さんの指示に従ってください。回数のみの指示で、タイミングの決まりがない場合は、食後30分以上経過してからが最適です。
食後すぐに飲ませてしまうと、薬と一緒に食べたものまで吐き出してしまう可能性があります。
よって、食後に飲ませるタイミングとしては、30分以上待ってからにすると良いのです。
タイプ別!!上手な薬の飲ませ方
猫は嗅覚が優れているので、フードやおやつに紛れ込ませる方法はあまりおすすめできません。
ここでは、形状別に飲ませるコツを紹介いたします。
錠剤・カプセル
- 薬は利き手で持つ(親指と人差し指で摘む)
- 反対の手で頬骨を持ち、75°程度の角度になるように顔を持ち上げる。
- 頬骨を支えている手で口を開ける
- 薬を舌の付け根あたりに落とす
- 頭の高さを保ったまま口を閉じ、喉の上から下にかけて軽くさする(飲み込みを促す)
錠剤は躊躇せずに奥のほうへ落としてください。手前に落とすと出してしまいます。さらに、苦味からよだれの量も多くなってしまいます。
粉薬
薬を飲ませる顔の角度や、最後の工程は錠剤と同様です。
粉薬の場合は、次のようなポイントがあります。
- 人差し指を湿らせて粉を付着させる
- 薬を上顎にすり付ける
- 素早く口を閉じて顎をさする
尚、薬を水で溶いてスポイトやシリンジで飲ませても大丈夫です。飼い主さんがやりやすい方法を選んでください。
シロップ
シロップでは、スポイトやシリンジが必須です。慣れない猫の場合は、スポイトもしくはシリンジの先端を犬歯の後ろに差し込む練習をしてから飲ませましょう。
ここでも顔の角度は同じになります。コツは以下の通りです。
- スポイト(シリンジ)は利き手で持つ
- 顔を傾け、犬歯の後ろにスポイトの先端を差し込む。上を向かせすぎると誤嚥性肺炎を起こすので注意。
- 薬をゆっくり流し込む
- 全て飲み込むまで顔の高さをキープする
まとめ
薬にまつわる豆知識を3つ紹介させていただきました。見覚えや聞き覚えのある薬の正体は、やはり人間用だったのですね。
しかし、量はかなり少なくなります。素人では判断できないので、安易に人間用の薬を飲ませることだけは絶対にやめてください。
猫の投薬は拷問のようで気が進まないかもしれません。それでも、元気になるためには致し方のないことです。
少しでもストレスを軽減させられるように、コツを掴んで素早く飲ませるように頑張ってください。