猫はネズミを食べる?
ネズミは猫の獲物。それは、昔も今も変わりません。たとえ室内で飼われている猫でも、外へ行く機会があれば、本能から、狩りをするでしょう。
猫にとって、ネズミは食料です。お腹がすいていれば、ネズミを捕らえて食べることは十分考えられます。ただし、ネズミには寄生虫がいたり、病原菌を保有していることがあるので、気をつけなければなりません。
放し飼いの猫は、いつ、どこでネズミを食べているかわかりません。ネズミを食べないようにする一番の方法は、猫を室内飼いにすることです。家の中にネズミが入ってこないとは限りませんが、かなりリスクは抑えられるでしょう。
家の中で、十分な食事を与えられていれば、ネズミがいたとしても、捕まえて食べることは少ないかもしれません。
1.トキソプラズマ症
「トキソプラズマ症」は、トキソプラズマという原虫(寄生虫の一種)に感染したネズミを食べることで、猫が発症します。
トキソプラズマは、猫が感染しても下痢程度で済む、あるいは無症状のことが多いですが、子猫や老猫では重症化し、命に関わるので注意が必要です。
稀ですが、猫の便から人間に感染することがあるので、猫がネズミを食べた可能性があるなら、排泄物の処理は気をつけて行わなければなりません。
人間に感染しても健康な人なら無症状のことが多いですが、注意が必要なのは妊婦への感染です。流産を引き起こしたり、新生児へ影響を与えることがあるからです。
2.エキノコックス
キタキツネに感染する寄生虫として知られる「エキノコックス」。エキノコックスは、犬にも感染することがわかっていますが、実は、猫にも感染することがあるそうです。
猫が感染しても軽い下痢程度で、それほど大きな症状は見られません。気をつけなければならないのは、猫から人間に感染した場合です。
エキノコックスは、人間に感染すると、5年から20年ほどの潜伏期間があり、その後、肝機能障害などが現われます。
人間がエキノコックスに感染した場合は、早期発見が重要です。治療をしないでそのままにしておくと、死に至ることもある恐ろしい病気なのです。
3.ネコ条虫症
ネズミは、ネコ条虫の中間宿主になります。そのネズミを食べることで猫に感染するのです。
ネコ条虫は、節のある細長く平らな虫で、猫の小腸に寄生します。成長すると50~60センチにもなるとか。
猫が、お尻を痒がって壁や地面にこすりつけるようにしていたら、条虫がいるかもしれません。肛門から、白い細長い物が見えることもあります。
お尻から条虫が見えていても、決して引っぱったりしないで下さい。腸管を傷つけてしまうことがあります。
条虫が見えていたり、感染しているかも知れないと思ったら、動物病院で診てもらいましょう。
まとめ
ネズミを媒介して起こる病気を防ぐには、猫がネズミを食べないようにするしかありません。ネズミを食べさせないためには、室内で飼うのが良い方法です。
それでも外へ行ってしまったり、家の中にネズミがいる場合には、愛猫がネズミを食べてしまうこともあるかもしれません。
猫がネズミを食べた可能性があるなら、排泄物の処理やトイレ掃除の際はしっかり手を洗う、猫に口移しで食べ物を与えない、引っ掻かれたり噛まれたりした場合はよく洗って消毒するなどの対策を心がけましょう。
心配なことがある場合には、獣医さんに相談して下さいね。