猫から「いい匂い」がする理由
基本的に健康な猫には体臭がありません。ところが、時々「いい匂いがすると感じることはありませんか。
意見として多いのは「バターやクッキーのような香ばしい香り」「ミルクの匂い」「お日様の香り」などです。
なぜこのような匂いがするのでしょうか。考えられる理由を紹介いたします。
- 毛繕いで獣臭を消している
- 日向ぼっこが好き
- 家の匂いが被毛に付着している
- 洗濯物の上でゴロゴロすることがある
- フェロモンを放っているなど
人間の洋服に匂いが染み付くように、猫の被毛にも生活臭やお日様の匂いが付着します。その結果、心地よい香りがするのです。
思わず嗅ぎたくなる部位トップ3
猫と暮らしていると、ついつい愛猫の体に顔を埋めたくなりますよね。その状態で深呼吸をする「猫吸い」という言葉があるように、猫の匂いは不思議と嗅ぎたくなるものなのです。
ここでは、体のパーツの中でも特にクセになる部位を紹介いたします。
1.お腹と背中
お腹は難易度が高いですが、あのモフモフ感がたまらずに吸い込みたい衝動に駆られる方も多いのではないでしょうか。
一方で、背中は最も嗅ぎやすい部位になります。バックハグをする最中にさりげなく嗅いでみたり、お昼寝タイムにそっと嗅いでみることができるかです。
お腹や背中からは、天日干ししたお布団のような匂いがするという意見が多いようです。これは、まさにお日様の匂いそのもの。日向ぼっこによって、布団を干した時と同じような現象が起こります。
2.肉球
肉球から感じる匂いとして有名なのが、ポップコーン臭です。香ばしさの中に、甘さや油っぽい要素がミックスされたような匂いです。
キャラメルのような匂いがすることもあります。例えるならキャラメルポップコーンですね。さらに、塩味が強い肉球もあるようです。
香ばしい香りの正体は汗です。肉球は唯一汗をかく部位になります。人間でいう手汗のかき具合によって、様々な匂いを放ちます。
これらのような興味深い話を聞くと、愛猫の香りが気になる方も少なくないでしょう。
しかし肉球は猫にとってデリケートなパーツなので、匂いを確認すること自体が難しいかもしれません。
いきなり嗅がずに、肉球に触れられることに慣れさせるところから始めてみてください。
3.おでこ
猫のおでこからは「焼きたてのパン」や「ホットケーキ」「メープルシロップ」などの美味しそうな匂いがするという意見が多く挙げられています。
匂いの正体として有力なのはフェロモンです。猫の顔周辺には臭腺が集まっており、額を家具や人に擦り付けることで匂い付けを行います。
これまでフェロモンの匂いは、猫同士でのみ感じ取れるものとされてきました。しかし近年、人も無意識に感じ取れているという報告もあります。
鼻をつける挨拶を交わす際に、さり気なくチェックしてみてください。
「いい匂い」を故意に作り出すのは危険
取り込んだ洗濯物の上でゴロゴロすると、日光の匂いや柔軟剤の香りが被毛に付着します。このように、間接的に匂いがつく程度なら問題ありません。
ただし、いい匂いを維持したいからといって、香水を振りかけたりアロマを焚く行為は危険です。猫は嗅覚が優れているので、香水のような強い香りが苦手なのです。
アロマの場合は、使用するエッセンシャルオイルが肝臓に悪影響を与えてしまいます。
たとえ犬用であっても、猫には危険です。あくまでも、自然に定着した猫の香りを楽しんでください。
まとめ
猫には日向ぼっこや毛繕いという習慣があります。毛繕いをすることで獣臭を消しているため、条件が揃うといい匂いがします。
特に香りを感じやすい部位は、お腹や背中・肉球・おでこでした。スキンシップ中に、さり気なく愛猫香りを堪能してみてください。
匂いのチェックは、健康観察としても役立ちます。特に嫌な匂いを感じたら、皮膚や歯などを確認してみてください。異常があれば診察を受けましょう。何事も早期発見が重要です。