猫が寝るとき白目でも大丈夫?『第三眼瞼』の驚くべき役割4つ

猫が寝るとき白目でも大丈夫?『第三眼瞼』の驚くべき役割4つ

猫の目をよく見てみると…。通常のまぶた以外に、なんだか白い膜のようなものが見えるときがあります。これは一体何なのでしょうか?白目?それとも、何かの異常?詳しく見ていきましょう。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

1.眼球を守る

瞬膜

猫の第三眼瞼は、目の保護、特に角膜を守る役割をしています。聞き慣れない名称ですが「瞬膜」といえばわかる方も多いのではないでしょうか?猫が寝ているときなどにうっすらと空いた目の中に白い膜が見える場合があり、それが「第三眼瞼」です。

猫や犬のほか、両生類や鳥類、爬虫類がこの瞬膜を持っています。人の場合は進化の過程で退化したようです。水中で暮らす生き物は透明の瞬膜で目を保護しながら活動しています。

いわばゴーグルのような役割があるのです。人がもし今も瞬膜があれば、水中でもう少し自由に活動ができたのかもしれません。

猫の第三眼瞼は普段はあまり見えません。もしずっと見えている場合は病気や体調不良の可能性が高いです。動物病院を受診するようにしましょう。

2.乾燥を防ぐ

黒い第三眼瞼

第三眼瞼の中には、涙を分泌する「瞬膜腺」という器官があります。そのため、まばたきをする度に目の表面がうるおうようになっています。乾燥が防げるのです。

この機能はとても大切で、涙全体の約4割が第三眼瞼でつくられているといいます。かわいいはずの猫の目の中に白い膜が見えていると少々グロテスクに感じてしまうかもしれません。でも異常がないかしっかりチェックしてあげましょう。

以前は第三眼瞼が炎症を起こして目の外に出てしまうチェリーアイという病気にかかったときは、第三眼瞼をカットする治療を行なっていました。ですがその処置をするとドライアイになってしまう猫が続出したのです。

そのため、第三眼瞼には目の乾燥を防ぐという重要な役割があることがわかり、今は温存するようになっています。それだけ猫の体にとって大切な器官なのです。

3.感染症予防

見えている瞬膜

第三眼瞼は感染症の予防にも役に立っています。猫が感染する病気はたくさんありますが、中には命に関わる恐ろしいものもありますので、十分注意しましょう。

第三眼瞼が感染症の予防に役立っているといっても、その効果は100%ではありません。ワクチン接種によって防げる病気もありますので、愛猫のためにも接種を検討しましょう。

4.異物の侵入を防ぐ

こちらを見る猫

異物の侵入を防ぐ役割も。目の表面にゴミやホコリなどがあるとき、まるでワイパーのような働きをします。たまに猫自身の毛が入っていることもありますが、第三眼瞼があるので飼い主さんが愛猫をムリやり押さえ込んでとってあげなくても大丈夫のようです。

まとめ

子猫

愛猫の目に何か白いモノがあるなぁ、とは思いつつも、そこまで気にしたことがない飼い主さんも多いでしょう。寝ているときに第三眼瞼が見えていると、ちょっとホラーです。でも起きてから見えていなければ問題はありません。

小さなパーツとはいえ、猫の目にとっては非常に重要です。異常がある場合は、すぐに対処してあげましょう。

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