猫の『ビタミン・ミネラル不足』で表れる症状5つと対策

猫の『ビタミン・ミネラル不足』で表れる症状5つと対策

猫の体にも必要な栄養素があります。今回は、ビタミンやミネラルが不足した場合に起こる不調について解説いたします。不足分を補うためにサプリメントは有効なのでしょうか。これについても説明いたします。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

ビタミン・ミネラルが不足するとどうなるの?

野菜を見つめる猫

元気の源であるビタミンやミネラルですが、これらが猫の体で不足するとどうなってしまうのでしょうか。

ここでは、ビタミンやミネラル不足に陥ると起こりうる症状を5つ紹介いたします。

1.骨が脆くなる

ミネラルの1種であるカルシウムが不足すると、骨が脆くなります。子猫の発育不全や骨粗鬆症の原因にもつながります。骨を丈夫に保つために欠かせない要素です。

カルシウムを効率よく取り込むためにはビタミンDの存在が欠かせません。幸いにも猫は日向ぼっこが好きなので、ビタミンDに関しては摂取しやすい状況にあります。

食事からカルシウムを取り入れ、のんびりと日光浴をさせてあげましょう。

2.歩行障害や心臓の不調

ビタミンB群は、全身の体調維持に貢献しています。元気よく過ごすために必要不可欠な存在なのですが、猫はビタミンB1を蓄えることができない体質です。

不足すると歩行障害や心臓疾患につながる恐れがあります。歩き方に違和感がある、麻痺が見られるなどの症状が出たら診察を受けてください。

3.皮膚疾患

ビタミンA、ビタミンB6、亜鉛などが不足すると、皮膚の状態や被毛の状態に影響を及ぼします。毛艶が悪くなったり、毛が抜けやすくなります。

ビタミンAに関しては、目の健康にも関与している重要な要素です。ただし、猫自身の体でもある程度蓄えることができます。過剰摂取は控えましょう。

4.貧血

鉄分やビタミンB9不足は貧血の原因になります。特に鉄分が不足すると、タンパク質と上手く結合できずに血の巡りが悪くなります。

子猫がビタミンB9欠乏に陥ると、成長障害を起こすことがあります。

5.怪我の治りが遅くなる

ビタミンKや亜鉛は、怪我の治癒に影響します。ビタミンKには止血に欠かせない血液凝固因子を促進する作用があるため、極端に不足すると血が止まりにくくなります。

亜鉛はタンパク質と結合することで、自己治癒力を高めてくれます。よって、不足すると怪我の治りが遅くなるのです。

足りない要素は積極的に補うべき?

薬を飲む猫

不足するとどうなるかという話を聞くと、焦りが出てくる飼い主さんもいらっしゃるでしょう。足りない要素は積極的に補うべきなのでしょうか。

実はここが複雑で、単に補えば良いというわけではありません。ビタミンやミネラルはバランスが重要で、均衡が崩れるとかえって体調不良を引き起こす恐れがあります。

猫に不足しがちな栄養素を上手に取り入れるためには、添加物の少ない良質なキャットフードを食べさせることが有効です。

バランスの乱れが招く病気

通院する猫

猫に多い疾患として、下部尿路結石があります。実は、カルシウムとリンの不均衡が大きく関与しています。

カルシウムは、常にリンの1.2~1.5倍の比率にキープすることが理想とされています。

ところが猫の食生活は、リンを多く取り入れやすいものになりがちで、余分なリンを排出するためにもカルシウムが消費されてしまいます。

そうすると、リンの比率が高くなってしまいます。穀物でかさましされたフードばかり食べていると、尿路結石になりやすい体内環境を作り出してしまうのです。

まとめ

食器を見つめる猫

今回は、生きるために欠かせないビタミンやミネラルのお話をさせていただきました。

猫は肉食動物なので、どうしても不足しやすい要素があります。フードを選ぶ際は、猫に必要な栄養素がバランスよく含まれているものを選びましょう。

サプリメントは便利ですが、使い方を誤ると栄養素のアンバランスを引き起こす可能性があります。獣医さんに相談してから検討しましょう。

最後に、猫が好むと思われがちな生の魚介類を与えることは控えてください。チアミナーゼという成分が、ビタミンB1を破壊してしまいます。猫と人間の体の構造は、全く異なることを理解しておくことが大切です。

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