大型猫の特徴
大型種に属する猫にはどのような特徴があるのでしょうか。
体重が5kg以上になる
一般的な成猫の体重は、3kg〜5kg程度です。それに対して大型種の猫は、5kg以上に成長します。個体によっては10kg近くまで成長することもあります。
がっしりとした体格
骨格がしっかりとしていて、筋肉質なところも大型種の特徴です。がっしりとした印象を受けると思います。
体重こそ重いですが、適性体重であれば太っているわけではありません。
成長がゆっくり
標準的な猫が1年で成猫になるのに対して、大型種の猫は3年程かけて大人の猫へと成長していきます。体高だけで言えば1年程度で成猫としての大きさになりますが、筋肉がついて大型猫らしくなるのに3年程かかります。
精神的な成長もゆっくりなので、3歳くらいまでは子猫らしさが残るようです。体が完全に成長しきるには5歳くらいまでかかることもあるようです。
おっとりした子が多い
性格的には穏やかで、おっとりした子が多いでしょう。とはいえ、子猫時代はもちろん活発です。
長毛種が多い
大型種のほとんどは長毛の猫です。古来から存在する大型種が北欧やロシアに多かったことが背景にあります。寒い地域では動物の体が大きくなったり防寒性に優れた長毛の動物がより適していたからかもしれませんね。しかし大型種には、サバンナキャットやブリティッシュショートヘアといった短毛種もいます。
大型の猫種4選
思わず抱きしめたくなるような、可愛らしい大型種の猫のうち4種を紹介いたします。
1.メインクーン
原産国は北アメリカで、アメリカ合衆国東部にあるメイン州の猫となっています。「クーン」とはアライグマのことですが、ブラウンタビーの見た目がアライグマに似ているとか、狩りの手法がアライグマに似ている(メインクーンはネズミ捕りで大活躍しました)などと言われています。その起源にも諸説あり、「アライグマの血が入っている」などという話もあるそうです(もちろん科学的に考えるとあり得ませんが)。
- 体重
- 標準体重は団体によっても異なるようですが、オスは4.5~10kg弱、メスは3.2~7kg弱に成長するそうです。去勢後のオスでは10kgを超えることもあるようです。
- 性格
- 穏やかで人懐っこい子が多いです。性格的な特徴から「ジェントルジャイアント(穏やかな巨人)」と呼ばれています。ワーキングキャットとしてネズミ捕りを任されていた背景から、好奇心旺盛で遊び好きです。
- 股関節形成不全、膝蓋骨脱臼
- 腎不全
- 肥大型心筋症
- ピルビン酸キナーゼ欠損症など
2.ノルウェージャンフォレストキャット
北欧の神話にも登場する、ノルウェー原産の猫です。神話の中で女神フレイヤのソリを引く猫がノルウェージャンフォレストキャットだと言われたり、他の猫が絶対に登れないような山に住んでいたなどと言われているそうです。
- 体重
- オスは5.4~8kg、メスは3.6~5.4kg程度まで成長するそうです。
- 性格
- 穏やかで優しい猫ですが、子猫時代はもちろん活発です。木登りが得意、好きなので、床置きタイプじゃなくてポール型の爪とぎやキャットタワーを使うことが薦められています。人の体に登って遊ぶこともあるようです。人や他の猫とのコミュニケーションを好むため、多頭飼育にも向いていると言われています。ただ、常に人にベタベタしていたいタイプというよりは自立心もあるタイプだと言われています。
《かかりやすい病気、分かっている遺伝病》
- 肥大型心筋症
- ピルビン酸キナーゼ欠損症
- 糖原病IV型など
3.ラグドール
英語で「ぬいぐるみ」という意味のラグドールは、抱っこ好きで本当にぬいぐるみのように愛らしい猫です。
- 体重
- オスは6~9kg、メスは4~6kgほどに成長します。オス猫は10kgを超えることもあります。
- 性格
- 穏やかでおとなしい性格です。狩りに対する意欲が少ないと言われていますが、飼い主と遊ぶのは大好きなようです。甘えっ子ですが、ある程度の留守番は問題なくできるでしょう。
《かかりやすい病気、分かっている遺伝病》
- 肥大型心筋症
- 尿路結石(特にシュウ酸カルシウム)
- 多発性嚢胞腎など
4.ラガマフィン
ラグドールから派生した猫です。ラガマフィンとは「いたずらっ子」という意味で、その理由は性格に秘密があります。ちなみに我が家にもラガマフィンがいます。
- 体重
- オスは6.5~9kg、メスは4.5~7kg程度に成長します。オスは10kgを超えるほど大きくなる子もいます。
- 性格
- 猫という概念が覆されるほどの甘えっ子が多いようです。人と一緒にいることを好み、姿が見えなくなると探し回ることがあるほど。寂しさ、退屈さが募るといたずらをすることがあるでしょうが、適度に構ってあげることで予防できるでしょう。長時間の留守番を頻繁にさせる方には向かないかもしれません。
《かかりやすい病気、分かっている遺伝病》
- 肥大型心筋症
- 多発性嚢胞腎
- 尿路結石(特にシュウ酸カルシウム)など
これらの品種を飼う上での注意点
大型種の大半は長毛種の猫です。毎日のブラッシングが欠かせません。
こまめにブラッシングすることで、毛玉や毛球症を防ぐことができます。
さらに、食事面でのサポートも重要です。大型猫はおっとりした子が多いので、肥満になりやすい傾向があります。
まとめ
大型種の猫の場合、日用品も大きいサイズのものが必要です。特にトイレの大きさには気をつかってあげましょう。
しかし、その他は一般的な猫とそう変わりはありません。個体ごとの性格に合わせた環境を整えてあげましょう(キャットタワーの設置、できるだけ一緒にいる時間をとってあげるなど)。お手入れは他の長毛種と同様ですし、健康管理も肥満予防をより意識する以外は同じです。
人懐っこい子が多いので、大型の猫とご縁があった方はコミュニケーションを大切にゆったりとした成長を見守ってあげてください。