1.「ぼくは/私はここだよ!」

本や新聞を読んでいると目の前を行ったり来たりして、しっぽを顔に当ててくる猫。典型的なごはんやナデナデの催促ですが、もとは狩りから帰った母猫を迎える儀式の一部です。
また猫がしっぽを立てるのは、ほぼ出会いの場面に限られます。
猫の先祖が生きていた弱肉強食の世界ではうかつに声を出せません。
しかし、しっぽを立てると静かに自分の存在をアピールすることができるため、この方法を選んだのではないでしょうか。
2.「こんにちは!会えて嬉しい」「お帰りなさい!」

ただしこの場合の「出会い」は、嬉しい場面に限ります。
狩りから戻った母猫を迎えるときはもちろん、仲良し同士が出会ったときに、嬉しさと歓迎の意味を込めて「ハーイ!」としっぽを立てるのです。
人間に対しても同じこと。外出から戻ったときや外で可愛がっている猫に会ったとき、彼らはまずしっぽを立てます。
そうすれば遠くからでも、自分の存在と会えた嬉しさを伝えることができるからです。
3.「ごはんください!」

巣で母猫の帰りを待つ子猫がいるとしましょう。
狩りには時間がかかりますから、子猫にしてみれば「お帰りなさい」と「ごはんください」にあまり違いはありません。母が帰れば心からほっとすると同時に空腹だったことを思い出します。
私たちが帰宅時に、玄関先で非難されているような気になるのはそんなとき。熱烈歓迎だったおしっぽピーン!が瞬時に「ごはんだよ!」にシフトチェンジです。
4.「早くこっちこっち!」

成長した子猫に食べ物を渡すとき、母猫は巣穴から少し離れた場所へ誘導します。しっぽを立てて母猫にまとわりつく子猫たちの中にははしゃぎすぎて追い越していく子もいます。
家庭では玄関ホールで飼い主さんを迎えたあと、「靴を抜いて早く上がれ」とばかりに部屋に駆け込む猫も少なくありません。
怒った顔と怒りのニャーばかりが目につきますが、ピーンと伸ばしたしっぽもちゃんと抗議・誘導しているのです。
まとめ

猫がしっぽをピーンと伸ばす理由は、最初は母猫に自分の存在をアピールするだけだったのでしょう。しかし徐々に付加価値が付いていったと考えられます。
残念ながら言葉で会話する人間は、猫の声ばかりに気を取られがちです。しかし猫はしっぽでも話します。
中でも目立つのがおしっぽピーン!どんな時にしっぽを伸ばすのか、愛猫やテレビや動画で確認してみてくださいね。