猫が寝てばかりいるのはなぜ?
猫というと「よく寝ているなぁ」という印象を持たれるでしょう。
それもそのはず。成猫で1日あたり14~16時間、子猫に至っては20時間以上眠るのが平均的です。
1日の3分の2を睡眠に費やしていることになりますが、なぜそんなに眠るのでしょうか?
狩りに備えて体力を温存するため
猫にとって狩りは命綱。生き抜くためには何としても狩りを成功させなければなりません。
辺りが薄暗くなるまでは眠って体力を温存し、万全の状態で狩りに出かけられるようにしています。
これは野生の猫の話ですが、家猫にも立派な狩猟本能が残っています。本能的に日中は寝て過ごすことが多いのです。
成長を促すため
成長に欠かせない成長ホルモンは、睡眠中に放出されます。子猫がたくさん眠るのは、成長ホルモンを促すためです。まさに「寝る子は育つ」というわけですね。
記憶を定着させるため
人も猫も睡眠中に記憶の整理が行われ、大切な情報を記憶として定着させています。ちなみにその過程で夢を見ます。
子猫は日々、新たな体験を積み重ねていきます。そして猫生において重要なことを覚えるために、積極的に眠るのです。
爆睡しているわけではない
猫はよく寝ている割に、実は爆睡しているのはたったの数分(トータルで2時間程度)です。熟眠度でいえば人間のほうがはるかに上になります。
猫の睡眠はウトウトした状態の繰り返しで、危険を察知したらすぐに動けるように備えています。これも野生の本能です。
すっかり野生を忘れた家猫は、爆睡する機会も多くなります。何をされても起きない猫は、完全に安心しきっている証です。
猫の睡眠の質を上げる方法
猫にとって眠ることは大切な仕事です。睡眠が持つ意味からしても、できるだけぐっすり眠ってほしいと願うばかりですよね。
飼い主として睡眠の質をあげる手助けはできるのでしょうか?ここでは、猫の睡眠の質を向上させる配慮を5つ紹介いたします。
1.室内の明るさに気を配る
前足で目を覆うように眠っていることがありますよね。これは眩しいと感じているときの仕草です。猫の目は光に敏感なので、睡眠の質を下げてしまうことがあります。
眩しそうにしていたら、明かりを消したり薄暗くなるように調節してあげましょう。
2.眠りやすい場所を整える
猫には、いくつか眠りやすい場所があります。例をご紹介します。
- 日向ぼっこができる暖かい場所
- 薄暗くて狭い場所
- 高い場所
窓際にキャットタワーを設置すると、日向ぼっこをしながら高い場所で仮眠をとることができるでしょう。
狭い場所が好きな猫には、ドーム型のベッドやダンボールがおすすめです。部屋の隅に置いてあげましょう。猫の好みに合わせてリラックスできる環境をいくつか用意しておくことで、心地よい眠りへと誘ってくれます。
3.過ごしやすい室温を意識する
猫が過ごしやすいと感じる室温は20~28℃です。ちなみに湿度は50~60%が理想的といわれています。
これは人間が快適だと感じる環境とほぼ同じです。暑い夏はエアコンを活用してください。
寝苦しいほど暑い部屋では、猫もぐっすり眠れません。逆に体が冷えることも猫は嫌います。エアコンの風が寝床に直接当たらないように注意して、眠りやすい室温を整えてあげてください。
4.運動する
完全室内飼育の猫は、運動不足になりがちです。消費エネルギーが少なすぎると、あまり眠らなくなってしまいます。
飼い主さんも遊びに加わり、楽しく体を動かせるように協力してあげましょう。走り回るのも良いですが、上下運動も良い運動になります。おもちゃを巧みに操って誘導してみてください。
5.就寝前に軽食を食べる
就寝後に猫がドタバタと走り回って困るという飼い主さんは多いでしょう。夜の運動会を中止させる方法としては、就寝前の軽食を食べさせることをおすすめします。
お腹が満たされていれば狩りをする必要がなくなります。そうすれば、自然とおとなしくなるのです。
フードの摂取量の範囲内に留めるために、夕食を減らした分だけを夜食にするなど、就寝前に食べる分も計算しておきましょう。
まとめ
今日のねこちゃんより:テンテン♂ / ミヌエット / 2.1kg
猫にとって眠りは重要な意味を持ちます。質の良い睡眠をとることは健康につながり、健康寿命を伸ばすことにもつながっていきます。
猫はとてもデリケートなので、少しでも眠りやすい環境を整えてあげてください。