猫の『夏場のお留守番』で起こりやすいトラブル5つと対策

猫の『夏場のお留守番』で起こりやすいトラブル5つと対策

夏といえば熱中症が気になりますよね。でも、留守中の危険は熱中症だけではありません。今回は、夏の留守番に多いトラブルと対策について紹介いたします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

夏のお留守番で気をつけたいトラブル

昼寝する猫

夏の留守番は、他の季節と比べて特に心配ごとが多いのではないでしょうか?ここでは、夏に多い留守番中のトラブルを5つ紹介いたします。

1.熱中症

口呼吸の猫

夏といえば熱中症が心配ですよね。しかし、気をつけたいのは真夏になる手前。最近では6月頃から30℃近くまで気温が上がることも珍しくありません。

猫だけで留守番をする機会が多いご家庭では、エアコンを上手に活用してください。風を上向きにして、設定温度は28℃にセットしておきます。

最近のエアコンは涼しくなると自動的に風が弱まるので、設定温度を高くしておくと室内が冷えすぎる心配がありません。

2.リモコンを操作してしまう

リモコン

皆様は、エアコンのリモコンをどこに置いて出かけますか?猫でも触れられる場所に置いているようであれば、次の日から場所を変えてください。

留守番中の犬が誤って暖房に切り替えてしまい、死亡した例が報告されています。犬以上に手先が器用な猫では、ボタン操作など余裕です。

偶発的なものも含め、痛ましい事故が起こらないように気をつけたいですね。

3.冷房による冷え

毛布に包まる猫

設定温度に気をつけていれば、室内そのものが冷えすぎることはありません。それでも、猫が過ごす位置によっては冷えのリスクがあります。

ケージで留守番をさせる場合は、エアコンの直撃を避けるように注意しましょう。自由に過ごしてもらう場合は、部屋の隅に毛布を置いて冷えの避難所を作っておきましょう。

4.脱水

猫と水

猫は水を飲む習慣が身につきにくいことや、水へのこだわりが強いので、飲水は度々課題になります。

暑い時期に水を飲まずにいると脱水症状を起こすのは、猫も人も同じです。積極的に水を飲んでくれるように工夫しましょう。具体例を紹介いたします。

  • 水飲み場を数箇所設定する(涼しい場所)
  • 餌場やトイレから離れた位置に置く
  • 猫用のウォーターサーバーを置く
  • 浴室を解放し、洗面器に水を溜める
  • など。

猫の習性上、餌場やトイレの近くにある水は飲まないことがあります。場所を工夫するだけでも反応が変わることがあるのです。

涼しい浴室はまさに避暑地です。留守中に解放しておくことも暑さ対策になります。

ただし、浴槽の水は抜いておきましょう。窓の開けっ放しにも注意が必要です。

5.脱走

ニャルソック

窓開けて出かける場合、心配なのが脱走です。猫はとても器用で賢いので、少しの隙間から窓を開けてしまうことがあります。

窓を開けて外出する際は、ケージの中で留守番をしてもらうほうが安全です。

ケージは難しいという場合は、破れにくい網戸の活用や、窓に取りつける柵を活用することをおすすめします。

安全なのはケージ?それとも自由?

疑問に思う猫

留守中にケージを活用するかどうかを悩む飼い主さんは多いでしょう。夏に限定していうならば、自由にさせておくほうが安全です。

特にエアコンを使う場合は、その時々に快適な場所を見つけて過ごすことができます。ひんやりマットとあたたかい毛布の両方を用意すると良いでしょう。

一方で、先ほども紹介しように窓を開ける場合は、ケージのほうが安全です。ケージを活用する際は、水と食事トイレの3点セットは必須です。

まとめ

スイカを食べる猫

猫の体には汗をかくための汗腺がありません。唯一汗をかけるのは肉球のみです。

体内に熱がこもりやすく、水を飲む習慣が身につきにくい猫にとって熱中症はとても身近な病気です。

夏日になるとの予報が出た日には、できるだけエアコンを活用するようにしてください。そして、その他のリスクも気をつけましょう。

帰宅後に熱中症や脱水が疑わしい様子があれば、まずは体を冷やして病院に連れていきましょう。

万が一に備えて24時間対応の病院をピックアップしておくと安心です。

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