猫の『寿命』を左右する危険因子4つ

猫の『寿命』を左右する危険因子4つ

猫に健康で長生きをしてほしいものですが、普段の暮らしのなかで猫の寿命を左右してしまう可能性のある危険因子をご紹介します。猫の体調が悪くなってしまう前に改善をしていきましょう。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

1.太り過ぎ

体重計に乗る猫

人間もそうですが猫の肥満も様々な病気のきっかけになります。

糖尿病、脂肪肝、尿石症、体重増加で関節に負担がかかるなど、猫の健康を考えると肥満は避けたいですよね。

肥満の原因として挙げられるのは、ごはんの量が多い、おやつをあげすぎていることです。キャットフードのパッケージに記載されている給与量を目安にして与えましょう。

避妊・去勢手術をした場合や、運動量が極端に少ない場合などは給与目安通りに上げていても太ってしまうことがあります。こまめに体重測定をして「その子にとってのベストな量」を探っていきましょう。

また、おやつの量は一日に必要なカロリーの10%以下にし、おやつを与えたらごはんの量を減らしてカロリーオーバーを防ぎます。おやつのために主食を減らしすぎると、栄養の偏りが生じるので気をつけてください。

太っている猫のダイエットを始めるときは、急激な体重減少で内臓に負担がかかることがあるので、獣医さんに相談して計画を立てましょう。

2.栄養バランスの偏り

おやつに前足を伸ばす猫

栄養のバランスが偏っていることも、人間同様に猫にも良くありません。

総合栄養食と書かれているフードを与えていない、おやつが多い、人間の食べ物をよく食べる猫は見直しが必要でしょう。

例えば、おやつが多い、急にフードの種類を変えることが尿石症の原因になってしまうことがあります。尿石症によって、おしっこが出なくなってしまうと猫は急激に体が弱り、命に関わる事態になってしまいます。

3.ストレス

隠れる猫

猫が嫌がることをする、猫の習性を考えた環境づくりがされていないと、猫はストレスを感じてしまいます。ストレスを感じている状況が続くことは体にとっていいとは言えません。

猫のストレスの原因は色々ありますが、大きな音がする、引っ越しやトイレの砂が変わったなど環境に変化があること、トイレや食事が気持ちよくできない、運動不足、新入り猫を迎えたなどがあります。

猫がストレスを感じないように飼い主さんが配慮してあげることが必要です。

特に、老猫やもともと臆病な性格の猫はストレスを感じやすいので注意が必要です。

なるべく静かな生活ができるようにしたり、猫が好む高い場所を用意したり、猫という生き物について理解を深めることが大切でしょう。

4.飼い主さんの喫煙

タバコを持った手と煙

人も動物も肺などの構造はほぼ同じです。タバコの副流煙は主流煙より有害物質を多く含むことは有名ですが、タバコの煙を人間より遥かに体の小さな猫が吸うことで、有害物質が猫の体の中に蓄積してしまう恐れがあります。

猫は嫌な匂いがついた時などにグルーミングをしますが、タバコの煙に含まれる有害物質が猫の被毛に付着し、それを猫がなめ取ってしまうことも考えられます。

猫が生活するスペースではタバコは吸わないようにすることが猫にとって安全でしょう。

まとめ

人に抱きしめられる猫

猫の寿命を左右してしまう危険な要因は、肥満、栄養の偏り、ストレスが続く環境、タバコの煙などがあります。

猫の暮らしをよく観察し、猫に負担になっていることがないかチェックしてみましょう。

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