症状
自律神経系は交感神経と副交感神経から成り立っていて、消化吸収や血圧、体温など体の状態を維持することに関わっています。
交感神経は興奮や緊張のときに優位になり、副交感神経はリラックスや休息のときに優位になります。
一方が働くと、もう一方が抑制されバランスをとっています。このバランスが崩れてコントロールできなくなり、全身の機能に障害が出てしまうのが自律神経失調症です。
原因不明の猫の自律神経失調症は「キーガスケル症候群」と呼ばれています。
猫によって症状のあらわれ方に違いがありますが、以下が自律神経失調症の主な症状です。
- 元気や食欲がない
- 便秘
- ドライアイ
- 瞳孔が開きっぱなしになる
- 嘔吐
- 瞬膜が戻らない
- 唾液の分泌が減る
原因
食事、毒物、環境の変化などのストレス、不規則な生活、ホルモン分泌の異常などが考えられてきましたが、はっきりとした原因はわかっていません。
性別による自律神経失調症のなりやすさはなく、若い猫(特に3歳未満)に多いといわれています。
対処法
動物病院を受診する
いつもと違うと感じたり、何か症状があらわれたりしたら動物病院を受診しましょう。
様々な検査をして診断されますが、自律神経失調症の診断は簡単ではありません。検査をしても疾患が見つからない場合、キーガスケル症候群が疑われます。
他には体のホルモンの濃度を測定したりする検査方法があります。
治療
原因がわからないため根本的な治療ができません。症状が悪化しないように対症療法が行われます。
例えば、ドライアイを防ぐための点眼、食欲がない場合は強制給餌、脱水していれば輸液を行います。
あまり予後はよくなく、症状が悪化して合併症で助からない場合もあります。
自宅での対処法
原因がはっきりと解明されていないため残念ですが予防法はありません。猫が自律神経失調症となった場合は、原因として考えられそうなことに対して少しずつ対処してみましょう。
一般的に猫が苦手とすることを排除する、猫が睡眠不足にならないようにリラックスできる環境を作る、猫の食事の時間や飼い主さんの寝る時間など規則正しい生活にする、フードを見直すなど、動物病院に相談して対処してください。
猫をよく観察することと、ケアが大切です。
まとめ
猫の自律神経失調症は、自律神経系のバランスが崩れて元気がなくなったり、食欲がなくなったりと、猫によって様々な症状があらわれます。
検査をしても異常が見つからず、原因がわからないため根本的な治療ができません。症状を緩和する治療が行われます。
猫をよく観察し、ケアをして症状の悪化を防ぐことが重要となります。