猫の『筋力低下』に繋がる5つの要因と予防法

猫の『筋力低下』に繋がる5つの要因と予防法

猫の筋力も、ちょっとしたことで低下してしまうことがあります。今回は生活習慣に潜む要因と、適切な予防について詳しくご紹介いたします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

筋肉の衰えが気になる…その要因は?

走る猫

猫は並外れた運動能力を持っています。これには、瞬発力と柔軟性に優れた筋肉のはたらきのおかげです。

ところが、些細なことをきっかけに筋力が低下してしまうことがあります。その要因を5つご紹介いたします。

1.加齢

シニア猫

人間と同様に、猫も加齢に伴って筋肉が衰えてしまいます。若い頃は軽々とジャンプしていたキャットタワーにも、飛び乗ることができなくなってしまうのです。

上下運動には限界がありますが、高齢になっても運動は大切です。体が動くうちはトイレや食事の場所は変えず、自力で歩いてもらいましょう。これが良い運動になります。

2.運動不足

寛ぐ猫

家猫は、狩りをしたり咄嗟に逃げる習慣がありません。そのため、野生の猫と比較すると運動不足になりやすい特徴があります。

運動する習慣がなければ、せっかくの筋肉も若いうちから衰えてしまいます。

3.肥満

ぽっちゃり猫

肥満は様々な悪循環を招きます。体重が増えることで体を動かすことが億劫になり、運動不足になります。

食べては寝るを繰り返すうちに、肥満のループから抜けられなくなってしまいます。結果的に筋力も低下してしまいます。

また、不妊手術も肥満の要因の1つです。ホルモンバランスが変化することで、太りやすくなります。

4.ストレスによるホルモンの乱れ

隠れる猫

ストレスからホルモンバランスの乱れを作ってしまうこともあります。

筋肉に影響するホルモンバランスが乱れると、筋肉が脂肪に置き換わってしまい、体脂肪が増えてしまいます。その分、筋力が低下してしまうのです。

人も猫もストレスをゼロにするのは困難です。その代わり、上手に発散することが大切です。

5.病気

診察を受ける猫

猫には稀ですが「後天性重症筋無力症」という病気があります。これは免疫異常の一種で「体を動かせ」という脳からの司令が正常に伝わらなくなる疾患です。

具体的には、神経から筋肉へ伝わるはずの司令を免疫系に破壊され、阻止されてしまいます。結果的には体が動かしにくくなり、自然と筋力が低下してしまいます。

効果的な予防法はありませんが、疲れやすい・歩き方に違和感があるなどの異変があれば診察を受けるようにしてください。

早期から神経伝達機能を上げる薬や、異常に活発になっている免疫を抑える治療をすることが大切です。

筋力低下を防ぐには?

猫とダンベル

筋力低下のほとんどは、家猫の現代病のようなものです。普段の生活の中で、筋力を維持する習慣を身につけることが課題になります。

ここでは、筋力低下を防ぐ方法をいくつかご紹介いたします。

積極的に遊ぶ

遊ぶ猫

猫は夕方以降から活発になります。これは狩りの時間帯に関係しています。その本能を生かし、おもちゃで積極的に遊んであげましょう。

狩りをしている気分になり、ストレス発散にも繋がります。猫は短期集中型なので、1日に数分程度で構いません。これを継続していきましょう。

上下運動をする

タワーで遊ぶ猫たち

おもちゃを追って走る以外にも、上下運動を取り入れることがポイントです。上下運動をすることで、猫に欠かせないジャンプ力を維持することができます。

高齢で危険を伴うまでは、続けていきましょう。キャットタワーを設置したり、棚の配置を工夫することで本能的に遊ぶようになります。

不妊手術後は食生活を変える

座る猫

不妊手術後は、肥満予防を意識しなければなりません。運動習慣はもちろんのこと、食生活も変える必要があります。

術後に適したフードがあるので、かかりつけの獣医さんに相談しながら選んでみてください。

まとめ

伸びをする猫

猫の筋肉が低下する要因は、単に加齢に伴うものだけではありませんでした。若いうちから運動習慣を身につけることが、筋力キープに繋がります。

飼い主さんも積極的に関わりあって、愛猫の健康をサポートしてあげてください。

稀に病気が潜んでいることもあります。「いつもとは何か違う」と感じたら、診察を受けるようにしましょう。

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