1.骨折、脱臼
しなやかな体を持つ猫は、高い場所から飛び降りても上手に着地することができます。
しかし、バランスを崩して高い場所から落ちた、ドアに足を挟んだ、飼い主さんが足を踏んでしまった、ケージの網目に足が引っかかったときなどには、骨折や脱臼などケガをしてしまう場合もあります。
外に出て、交通事故でケガをすることも考えられます。
骨折や脱臼をすると、足を引きずったり、足をつかないように歩いたり不自然な動きが見られます。触ろうとすると嫌がる仕草をすることもあります。
飼い主さんが見ていないときにケガをしている場合や、痛くても顔に出さず隠していることがあるんです。そして、飼い主さんが気づいたときには症状が悪化しているなんてこともあります。
猫の骨折や脱臼などが疑われる場合は、なるべく動かさないようにして動物病院へ連れて行ってあげましょう。
骨折などケガをさせないようにするには、室内で飼育する、ベランダには出さない、猫同士の喧嘩を防ぐために避妊去勢手術を受けさせるなどの方法があります。
2.関節炎
高齢の猫の多くが変形性関節症など関節に炎症を起こしていると考えられています。
関節炎は、加齢や他の関節や骨の病気が原因で発生する他、遺伝的に関節の病気にかかりやすい猫種で発生します。
関節炎になると、トイレの出入り、立つ、座るなどの動作がぎこちなくなったり、高い場所へ行きたがらなくなったりします。また、毛づくろいの回数が減ることもあります。
治療は痛み止めやサプリメントが使用されます。
肥満にならないように体重管理をする、床に滑らないようにカーペットを敷いたり、爪切りをしたりすることが予防になります。
3.動脈血栓塞栓症
血栓が血管につまり血液の流れがなくなってしまうことで、筋肉や神経に障害が出るため不自然な動きをする場合があります。
例えば肥大型心筋症は血栓ができやすい病気です。できてしまった血栓が後ろ足に血液を流す部分に詰まってしまうと、後ろ足が麻痺し、血の気が引いて冷たくなります。場合によっては命の危険がある病気です。
異変を感じたらすぐに動物病院を受診し、治療を開始する必要があります。
4.視力の低下
慎重に歩く、物にぶつかって歩く、ジャンプを失敗する、驚くようになるなど不自然な行動の原因が視力低下の場合があります。
ただ、聴力や嗅覚、触覚などを使って視力低下をカバーするため、変化がわからないこともあります。
角膜炎、緑内障など目の病気が原因で視力低下が起きる場合があります。
ワクチンで予防できる病気は予防し、目やにや目をパチパチさせているなど気になることがあれば動物病院を受診しましょう。
まとめ
猫は、骨折などのケガ、関節の炎症、血栓による足の麻痺、視力が低下することなどで、歩き方など普段の動きが不自然になってしまう場合があります。
いつもと違うと感じたら早めに動物病院を受診し、必要な治療を開始しましょう。また、ケガをしないような環境かどうか見直しもしましょう。