猫の毛色と寿命は関係あるの?
猫の毛色が寿命を左右することはあるのでしょうか?実は、まだ解明されていないというのが正直なところです。
しかし、次のようなことに着目してみることで、注意しなければならない課題が見えてきます。
アルビノは野生では生き延びられない
アルビノとは、色素が欠乏してしまう遺伝子の疾患です。体毛が白く、目が赤いのが特徴です。猫界にもごく稀ですが、アルビノとして生まれてくる猫がいます。
アルビノは、紫外線から皮膚を保護する「メラニン」が皮膚に先天的に欠乏しています。そのため、日光を浴びることで炎症を起こしたり腫瘍になりやすかったりといった問題がある場合もあります。
また、視力が弱い場合があり、健康な猫以上に危険が伴います。家猫であれば環境を工夫することで生き延びられますが、野生では生き延びることが困難です。
トラ柄猫はカモフラージュしやすい
トラ柄猫は野生では有利な柄です。カモフラージュがしやすいため、外敵から身を守りやすいのです。
一方で、白猫や黒猫は外敵に見つかりやすく、野生では危険に晒されることがあります。外の世界では、トラ柄猫のほうが安全を確保しやすいという意味で長生きなのかもしれません。
柄による性格の違い
毛色や柄と寿命の関係性は明らかではありませんが、柄による性格の違いはあるようです。好奇心旺盛で活発な猫は、気になることは確かめずにはいられません。
その積極性が、怪我や事故を招いてしまうことがあります。家庭内でも、危険物は置かない工夫が必要になります。
毛の長さと寿命の関係
猫には、短毛種と長毛種がいます。長毛種というと純血種を想像しやすいですが、混血種でも毛足の長い猫が誕生することがあります。
長毛種の猫は、毛繕いの過程でより多くの被毛を飲み込んでしまいます。そのため、胃や腸に毛玉が溜まる「毛球症」になるリスクが高まります。
そういう意味では、短毛種のほうが長生きしやすい傾向にあります。長毛種と暮らす際は、こまめな ブラッシングをして毛球症を防ぐことが大切です。
猫の寿命と環境について
環境の善し悪しは、寿命にも影響を与えます。特に次のような環境は、改善しなければなりません。
- 安心できる場所がない
- 新鮮な飲み水がない
- トイレが汚い
- 運動できないなど
室内飼育自体がストレスになるのではなく、このような猫にとって住み心地の悪い環境がストレスに繋がるのです。
猫種による寿命の違いはあるの?
純血種に比べて混血種のほうが長生きといわれるのには、かかりやすい病気が関係しています。
予備知識があることで、純血種でも長生きできる可能性は高まります。
心臓病にかかりやすい猫種
メインクーンやラグドールなど、いわゆる大型種の猫は肥大型心筋症のリスクがあります。
そして大型ではないものの、アメリカンショートヘアも心疾患には注意が必要です。
腎臓病にかかりやすい猫種
腎臓病は猫全体に注意が必要な病気です。中でも、家族性の腎臓病に罹患しやすい猫種がいます。それは、メインクーン・アビシニアン・バーミーズなどです。
さらにペルシャ猫は、多発性嚢胞腎という病気のリスクがあります。
尿路結石になりやすい猫種
尿路結石も全ての猫にリスクがありますが、中でも注意が必要な猫種がいます。それが、ヒマラヤン・アメリカンショートヘア・スコティッシュフォールドなどですが、はっきりとした調査はされていないようです。
ハイリスクの猫と暮らす場合は、与えるおやつに気をつけましょう。たとえ猫用でも、かつお節や煮干しなどは控えたほうが無難です。
そして予防のために、新鮮な飲み水を積極的に飲む工夫をしましょう。
肥満になりやすい猫種
肥満は万病の元です。どの猫にも肥満のリスクはあります。ですので、特にこの猫種が太りやすいといったものはありませんが、幼い頃から夢中になれる遊びを見つけて、楽しく運動させるように心がけてください。
特にペルシャ猫・ラグドール・ラガマフィンなどおっとり系の猫は、積極的に走り回る習慣をつけましょう。
猫種に関わらず、避妊手術後は肥満になりやすくなります。楽しく体を動かすようにしてください。
まとめ
毛色による寿命の差は明らかではありませんでした。ただし、猫種や環境は少なからず関係がありそうです。
ハイリスクの猫種をただ拒否するというよりも、適切に予防することが大切です。ワクチン接種の際に、健康状態を診てもらいましょう。
室内飼育でも、猫らしく刺激のある毎日が長生きの秘訣になります。