猫の病気を招くことも!『換毛期』に注意すべきこと5つ

猫の病気を招くことも!『換毛期』に注意すべきこと5つ

猫と暮らしていてちょっぴり大変なのが換毛期です。抜け毛への対処も大切ですが、この時期になりやすい病気にも注意が必要です。今回は、「換毛期に気をつけてほしいこと」についてご紹介いたします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

換毛期とは

猫の被毛

猫は年に2回ほど換毛期を迎え、被毛の衣替えを行います。春の換毛期は3月頃です。温暖な気候に向けて通気性の良い被毛になります。秋の換毛期は11月頃になります。今度は逆に密度の濃い被毛に変化することで冬に備えます。

被毛が変化する過程で、普段よりも抜け毛が目立つようになります。少し驚かれるかもしれませんが、生理現象なので心配しなくても大丈夫です。

ちなみに換毛期は、短毛種と長毛種のどちらにも起こる現象です。

換毛期に気をつけてほしいこと

撫でられる猫

換毛期に入ると個体差はありますが、約2ヶ月ほどは抜け毛の多い状態が続きます。換毛期の特性上、注意したい病気もいくつかあります。ここでは換毛期の時期に心がけてほしいこと、予防してほしい病気についてご紹介いたします。

1.こまめにブラッシングをする

ブラッシングを受ける猫

猫は積極的に毛繕いをする動物ですが、被毛を直接舐めることで抜け毛を飲み込んでしまいます。少量であればそれほど問題ありません。ただし、換毛期は量が多くなるので普段よりもこまめにブラッシングすることが大切です。

短毛種の場合は週に2~3回、ラバーブラシやソフトタイプの獣毛ブラシを用いてブラッシングをしてあげましょう。抜け毛が多いようであれば、毎日軽くブラッシングしてあげてください。

長毛種の場合は毛足が長く、抜け毛の量も短毛種より多いため、毎日のブラッシングが欠かせません。被毛の密度が濃いので、ハードタイプの獣毛ブラシやピンブラシを活用しましょう。

ブラッシングへの苦手意識が強い猫の場合は、ブラッシング効果のあるミトンを使い、撫でるように抜け毛を除去することからスタートしてみてください。

2.ブラッシング後は掃除をする

掃除する猫

ブラッシングで除去した被毛を放置してしまうと、静電気で再び愛猫に付着したり、毛ぼこりの原因になります。

愛猫のブラッシングが終了したら抜け毛を始末してください。粘着ローラーやクイックルワイパーを活用すると便利です。

また、ブラッシングをする際は被毛が付きにくいツルツルした素材の服を着ることをおすすめします。

3.嘔吐

口を開ける猫

換毛期は毛玉を吐き出す嘔吐の頻度が増してしまいます。毛玉が排出されるという意味では自然な現象なのですが、あまり頻繁になると愛猫の負担になってしまいます。

嘔吐した後は毛玉が出ていることを確認する他、息が荒くないか、ぐったりしていないかを確認してください。吐く回数が多いと血が混じることがありますので、出血が確認できた場合は動物病院を受診しましょう。特に高齢の猫や肺に疾患を抱えた猫の場合は誤嚥性肺炎に注意しましょう。

4.毛球症(もうきゅうしょう)

猫の救急隊

体内に取り込まれた被毛は、通常であれば便として排出されます。時々嘔吐することもありますが、適切に除去されている証です。

ところが、排出が追いつかなくなると、胃や腸の中で毛玉ができあがり詰まらせてしまいます。これが毛球症です。軽度の場合は毛球除去剤で改善できますが、重度になると全身麻酔を用いた手術が必要になります。

最悪の場合は命を落としてしまうことがあるほど要注意な病気です。換毛期は毛球症のリスクが高くなります。特に長毛種の猫は注意したい病気です。

5.「被毛のもつれ」がもたらす皮膚炎

被毛のお手入れ

長毛種の猫は被毛がもつれやすく、換毛期は特に毛玉になりやすいという特徴があります。毛玉を放置してしまうと、その部位周辺の通気性が悪くなり皮膚炎が起こりやすくなります。

換毛期自体が皮膚炎の原因にはなりませんが、被毛のもつれは要注意です。

まとめ

顎乗せする猫

換毛期は抜け毛が多い分、体内に取り込まれてしまう量を減らすことが大切です。幼い頃からブラッシングに慣らし、換毛期には積極的にグルーミングのお手伝いをしてあげてください。

完全室内飼育の猫は、換毛期でも抜け毛が少ないケースがありますが油断は禁物です。苦痛を伴う毛玉や毛球症に気をつけましょう。

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