1.猫伝染性呼吸器症候群
鼻水と共に元気がなくなり、発熱やくしゃみ、せきなど風邪の症状も出るときは感染症を疑いましょう。
口内炎ができたり、涙や目やにも出るので大変辛そうな状態になります。
症状に合わせて抗生物質や消炎剤が使われます。食欲がない場合や発熱がある場合は輸液を行うこともあります。
食欲不振が2日以上続く場合は、強制的にフードを与えないと肝リピドーシスを起こしさらに食欲不振になります。体力の無い子猫は命を落とす危険もあります。
完全室内飼いであっても、人間がウイルスを室内に持ち込み猫に感染させてしまう事があります。年に一度の混合ワクチンを接種して、予防することが大切でしょう。
一度罹患すると体内にウィルスを持ってしまい、体力の無い時に発症してしまうキャリアー(保菌者)になります。
2.鼻炎
鼻炎の鼻水は、はじめはサラサラとしていますが、悪化すると粘り気が出ます。鼻の穴が塞がれるので、鼻の周りをこすったりして苦しそうに呼吸をする様子が見られます。
治療を行わないと「服鼻腔炎」を引き起こし、膿の混じった鼻水が出たり、血まじりになります。鼻の上もふくれて、熱を帯びる事もあります。
アレルギー、歯周炎の進行、腫瘍など原因は様々ですから、それぞれの症状に対応した治療が必要です。
3.クリプトコッカス症
人間の水虫と同じ、カビの仲間である真菌クリプトコッカスが呼吸器に感染し、発症します。
鳥の糞などに常在しているため、空気中にクリプトコッカスが混じり、猫が吸ってしまいます。鼻水と共にいびきやくしゃみ、腫れた鼻は変形し、目が腫れたり涙、目やにが多くなることもあります。
さらにはフラフラと歩いたり、けいれんが起きるなど、神経症状も見られます。
抗真菌薬を使用して治療します。菌にさらされるのを避けるのは難しいですが、猫の免疫力や体力を維持することで発症を防ぐことができます。
4.異物
アレルギーではなくても花粉、タバコの煙、チリやホコリなど外部の異物が鼻粘膜を刺激することで鼻水が出ることがあります。この場合はサラサラした鼻水が多いです。
長毛種も短毛種も換毛期になると毛が大量に抜けてしまいます。抜けた被毛が部屋に溜まっていると、雑菌の温床になったり異物の原因になります。
部屋全体、猫のベッドなどマメに掃除を心がけましょう。チリやほこり、イエダニの死骸なども吸い込むと鼻炎の原因になります。隅々までしっかりそうじしましょう。
同時に、空気清浄機を利用するのも効果的でしょう。そして猫と一緒に暮らすなら、喫煙の習慣はやめましょう。
まとめ
鼻がぐずぐずと辛そう…猫の『鼻水』が出る4つの原因と対処法についてお伝えいたしました。
鼻水が出てくると猫の嗅覚にも問題が出てしまい、食事を摂れなくなる場合もあります。鼻水で鼻が塞がって呼吸しにくそうにしているのを見ているのもつらいですね。特に顔に症状の出る鼻水ですから、見てる人間も辛いでしょう。
早めの対応や原因追及で、猫を楽にしてあげてくださいね。