異臭の原因は外耳炎?
「外耳炎」とは、外耳(耳の入り口から鼓膜まで)で炎症が起きたものの総称です。腫瘍やアレルギー、喧嘩などの傷に細菌が入って炎症を起こす場合もそうですが、耳にマラセチア(真菌)や細菌が異常繁殖したものも外耳炎です。さらに耳ダニの場合も外耳炎と呼ばれることがあります。
いずれも黒や茶色などの耳垢や痒みを伴います。原因によって治療方法が異なるため病院での検査が必要です。
外耳炎の治療とは?
治療には点耳薬を使い、自宅で投薬します。しかし通院する場合もありますし、ひどい場合には飲み薬なども使います。
症状そのものは数日から1週間で落ち着きますが、繰り返すことが多く数回の通院が必要になります。
1.細菌性の炎症
いわゆる「ばい菌が入って膿んだり腫れたりした」状態です。耳の中で細菌が大繁殖し、皮膚に炎症(痒み)を引き起こすことも少なくありません。
治療は「抗生剤」や「消炎剤」を用います。
予防は定期的に拭いて耳を清潔に保つこと。アレルギーなどの原因があれば、そちらの治療も行うことです。
2.マラセチア性外耳炎
真菌とはもともと猫の身体にいる「マラセチア」のことです。本来いても問題は起きないのですが、猫の抵抗力が落ちたり湿度の高い季節が続いたりすると異常繁殖することがあります。
治療薬は「抗真菌薬」。
予防はこちらも定期的な耳掃除です。
3.耳ダニ(耳疥癬:ミミカイセン)
ヒゼンダニというダニが耳の中で増える病気です。外にいる猫と接触したり、飼い主さんが外から持ち込んだりしてかかります。強い痒みが特徴なので、普通は異臭がする前に気がつきます。
治療には「駆虫剤」を使います。
予防は外の猫と接触させないこと。外で猫を触ったら手を洗い、そのまま猫を触らないことです。
まとめ
耳はもともと暖かくて少し湿っぽく、細菌やカビ、ダニが繁殖しやすい環境です。ですから日頃から耳掃除の習慣をつけ、清潔に保つことが大切です。
外耳炎はひどくなると耳の奥、中耳や内耳にまで影響します。また掻きむしって耳に血が貯まると(耳血腫)、耳軟骨が変形して耳がくしゃっと縮んでしまうこともあり得ます。
もし「耳が臭い」と思ったら、症状が進みつつある証拠。すぐに病院で検査を受け、適切な治療を開始してあげましょう。