猫の鼻が濡れていないときに気をつけるべき3つのこと

猫の鼻が濡れていないときに気をつけるべき3つのこと

猫の鼻が濡れていないと心配になりませんか?実は「鼻が乾いていたら必ず病気」というわけではないのです。今回は「意外と知らない!?」鼻の湿り気や、注意が必要な乾燥についてご紹介いたします。

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記事の監修

日本では獣医師。世界では旅人。”旅する獣医師”として世界各国を巡り、海外で見てきた”動物と人との共生の様子”を、執筆や写真展を通して皆さんと共有する活動をしています。

猫の鼻はなぜ濡れているの?

挨拶する猫

猫の鼻に触れると濡れていることが多いでしょう。湿り気の正体は、鼻腔内部から分泌される分泌液です。常に鼻水が出ているわけではないので安心してください。

猫の鼻には、においを感知する・温度を測るなどの役割があります。適度に濡れていることで、より正確に必要な情報を得ることができるのです。

愛猫の鼻が乾いている!病気なの?

鼻を舐める猫

かつては、鼻が濡れていることが健康のバロメーターであると信じられてきました。だから、愛猫の鼻が乾いていると心配になる飼い主さんも少なくないでしょう。

でも、実は健康状態が良くても乾くことがあるのです。特に睡眠中や、寝起きは乾きやすくなります。これは、眠っている間は鼻を濡らす分泌液が減りやすく、あまり鼻を舐めないからです。

このように、1日の中でも乾くタイミングが存在します。何気なく触れた愛猫の鼻がたまたま乾いていたとしても、慌てることはありません。

注意が必要な鼻の乾燥

抱かれる猫

タイミングによって鼻が乾くこと自体は自然なことです。先ほど紹介したように、大半は問題ありません。しかし、中には少々気にかけてほしい「乾き」があります。その理由と、対処法を3つご紹介いたします。

1.室内の乾燥によるもの

暖を取る猫

秋から冬にかけては室内が乾燥しやすくなります。特に暖房器具は乾燥を助長します。日常的に室内が乾燥し、鼻が乾きやすくなるのは好ましくありません。

人間の鼻の粘膜が乾燥することで風邪をひきやすくなるように、猫の鼻も乾燥による乾きが持続すればウイルスや細菌の感染を起こしやすくなります。

加湿器や霧吹き、洗濯物の室内干しなどを活用しながら室内の湿度を確保してください。快適に生活できる理想の湿度は、50~60%です。

2.加齢によるもの

うたた寝する猫

歳を重ねると代謝が悪くなります。鼻への影響は、代謝が落ちることで鼻を濡らすための分泌液の量が減少することです。室内の乾燥の有無に関わらず、鼻が乾きやすくなるのです。

鼻が乾くことでにおいの感度が低下します。これは危険を察知するだけではなく、食欲減退をも引き起こします。なぜなら、猫は「味」だけではなく「食べ物の香り」を楽しみながら食事を摂るからです。

猫の味覚は人間とは異なります。甘みなど一部の味覚は感じることができなかったり、味覚が弱かったりするのですが、その代わりに優れた嗅覚で「食べ物の香り」を感じとっています。食欲は元気の源です。嗅覚が鈍くなったと感じたら、ウエットフードを加えたり、少しフードを温めて香りをたたせてあげると良いでしょう。

3.脱水によるもの

水を飲まない猫

水分不足も分泌液を減少させる要因のひとつです。猫は砂漠で生活していたので、元々水分補給をする習慣があまり身についていません。

寒い季節はより一層水を飲まなくなってしまいます。季節に応じて水の温度を変える、ウエットフードを取り入れる、ごく微量のマタタビを飲み水に混ぜるなどの工夫をしてあげてください。(マタタビの入れ過ぎには注意が必要です。)

また、起きている時も常に鼻が乾いているようであれば、発熱や腎臓病など、脱水を起こすような病気になっていないか、病院で診てもらう必要があります。

まとめ

顎乗せする猫

猫の鼻が乾くことは、日常生活の中ではよく見られます。愛猫が普段とは変わらずに、元気に過ごしているのであれば問題ないことがほとんどです。

ただし加齢による日常的な乾燥や、冬場の物理的な乾燥、脱水を起こすような病気には注意が必要です。健康維持のためにも適切な配慮を心がけましょう。

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